平成17年4月1日をもって全面施行された「個人情報保護法」と「個人情
報保護に関するガイドライン」は、事務所にシュレッダーを設置することや、
事務所のパソコンにパスワードを設定して管理することなどをはじめとして、
我々不動産鑑定士や鑑定業者に様々な対策を求めています。
それは、法が情報漏洩後の救済を意図するものではなく、漏洩という事態を起こさないように予防措置を講じることを求めているからです。
同時に平成17年度より試験施行が予定されている取引価格情報開示制度(通称新スキーム)は、取り扱う個人情報(取引情報)の情報源が行政情報であることから当然のこととして、個人情報並びに個人データ取扱に関して、専門職業家団体として一般企業以上の安全対策が求められていると考えられます。
即ち取引事例新スキームに関わると否とにかかわらず、各都道府県士協会が従来方式による事例収集を行う場合においても、個人情報保護法並びにガイドラインが示す様々な安全管理措置の実施が求められているのです。
そこで、ガイドラインが求める組織的、人的、物理的、技術的安全管理措置を実施し、コンプライアンスを強化してゆくためには、公示評価員のみをクライアントとする中央管理サーバシステムに準拠した全国士協会ネットワークの構築が欠かせないものであると云えます。
(注)国土交通省、個人情報保護に関するガイドライン
(H16.12.02国交省告示第1500号)
鑑定協会、個人情報保護に関するガイドライン
(H17.1.18理事会承認)
(注)「新スキーム」
そもそも、新スキームは「取引価格情報開示制度」(国交省土地情報課主管)の発足によるものであり、主として土地取引価格情報を広く社会に開示するために、不動産取引価格を調査してWebにより公開しようとするものである。
「不動産取引価格情報の提供制度」(国交省)は「地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度」を創設し、地価公示評価員の協力により取引価格情報開示に係わる取引事例の調査を行おうとするものであり、大都市圏域を中心にして平成17年度より試験施行が開始される。
新スキームには、不動産鑑定士が「地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度」事業への協力を通じて公益事業に積極的に参加するという意義があると同時に、事業への参加は結果として鑑定評価の基盤である取引事例収集に関して、安定的に持続する「取引事例収集システム」を構築することでもある。
(注)「中央管理サーバシステム」
新スキームによる地価公示の枠組みによる取引事例の収集・提供制度」を実施してゆくために鑑定協会に構築されるSSL-VPN方式【術語注.1】によるクライアント・サーバシステムである。
この中央管理サーバシステムには調査対象区域に属する地価公示評価員に限ってアクセスが認められる。公示評価員はUSBトークンを利用して中央管理サーバシステムにアクセスする。
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