梅雨のあいまに

 梅雨入りしてもうすぐ一週間になる、前号記事で報せたとおり我が陋屋の廻りの乾いた水田が、文字通りの早苗が植わった水田となって曇り空を写している。このところ茫猿の気分はましであるものの、本業である鑑定評価や地価調査に関わる仕事は全く進んでいない。ぼちぼち本腰を入れて取り組まないと事務所が破綻しかねない。


 何をしてたかと云えば、ご覧になっておわかりの通り、「ブログ・鄙からの発信」の更新である。今月はまだ11日であるが既に22件のアップである。アップ件数が多いからと云って威張れることではないが、何故か多いのである。自分でも多すぎると思える今日この頃である。
 もう一つは、新スキーム第二WG関連である。特に先週初めに「第二WG・情報共有・REA-NET・XOOPSサイト」が稼働し始めたから、その初期設定というかチューニングというか、ダメ出しというか、頼まれもしないのにそのせっせと励んだのである。 
【蒙御免:ID、パスワードの一般開示はもう少し先です】 小出しついでにもう一つ、「REA-NET.JP」のパーツの一部です。『ご注意:ツールをダウンロードしても、ただ今では無意味です。』
 でもである。よくよく考えてみれば、競争ではないのだから走る速度というものは、速ければよいという訳ではないので、読者とか関係者の存在を意識していないと独りよがりの走りになり、独走とか暴走とか云うよりも孤独な寂しい孤走ということになってしまう。本日ただいまから力任せの走りは暫く休憩して、読者の散歩速度に合わせてペースダウンしようと思う。
 先週、読み終えたのは、
魔女の1ダース:米原万里
「うつくしい子ども:石田衣良」
そして「波のうえの魔術師:石田衣良」である。
 検索は「BOOK or JP」より。
「波のうえの魔術師」(2000/08刊行)の中にこんな一節がある。茫猿は、「駅前不動産物語」を別にすれば、鑑定士という職業名称が小説に出てきたのを初めて見たのである。
「時代が変わったな。昔は競売物件など危なくて手をだせなかったものだ。あの男のところでは、不法占拠の占有屋と引き渡し命令を先送りする抗告屋、それに不動産鑑定士まで丸抱えで、不良債権をくいものにしていた。それが今では逆の立場で、転売利益を狙っている。あちらの世界もますます、ここと(頭脳)と変わり身の速さがものをいうようになった。」(波のうえの魔術師より引用)
 あんまりいい意味で紹介されていないと云うよりも、占有屋に抗告屋と並列で紹介されている。でも、そういう見方も社会にはあるのだと、承知しておくことも悪いことでhない。
 新スキーム関連WGで事例資料の管理について、様々な面から検討を加えていると、どうにもこうにも鑑定士性善説では危なくて前に進めないと思わざるを得ない時がある。あるいはそういう出来事を聞かされるのである。システムを構築するのも、管理スキームを考えるのも性悪説に立つべしと述べる同輩も少なくないのである。
 憲法の前文に見習って、「鑑定士協会は会員の公正と信義を信頼して、全ての情報に関わる我々の安全管理措置を構築した。」という訳には、残念ながらゆかないのである。
『憲法・前文』
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

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