見方にもよるが、歴史の曲がり角を示すニュースである。
本来、永遠のライバルであるはずの日経、朝日、読売がネット・ビジネスで業務提携するという。この三社が提携すると云うことは実態として独禁法違反ではないのか。日本からジャーナリズムという批判勢力が消え失せて、第四の権力が残るだけである。
仲間から外された、MSN産経ニュースが伝えるところによれば
日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞社は1日、インターネット上で3紙の報道記事や解説を読み比べられる新しいニュースサイトを来年初めに創設すると発表した。また、山間地など新聞配達網の維持が難しい地域で、販売・配達を3社で協力する業務提携の締結もあわせて発表した。
記者会見で新サイトの狙いについて、
日経の杉田社長は「ネットで配信されているニュースも大半は新聞社の記者が取材したもの。真のニュース発信者である新聞社が力を合わせ、ネット社会で影響力、発言力をいっそう高めていきたい」と説明。読売の内山社長は、「ネットを活用して紙の新聞を断固維持していくことに尽きる」と述べた。
「社説や主要記事読み比べも、朝日・日経・読売のネット提携会見(2007.10.1 16:09)」
ちゃんちゃんら可笑しいのである。
記者クラブ制度に守られて体制批判ができず、体制や通信社配信記事を垂れ流すだけの、取材編集機能が劣化した「ブンヤ風情が何を云うか」というところである。
茫猿の八つ当たりなのではない。終身雇用と高額給与、日本語という非関税障壁と狭い広告業界(電通に代表される)というバリアーに守られて、自らが究極の国内保護業界であることに気付こうとしない「堕落したブンヤ風情が何を云うか」なのである。内幕を暴露するまでもなく、派遣・請負労働の「ト○タ、キャ☆ン」、河川を富栄養化する合成洗剤垂れ流し推奨の「カ○ウ、P☆G」、中国産ウナギを国産と偽り販売する「イ☆ン、ヨー○ドー」を何故批判できないか、消費者金融コマーシャルをなぜ垂れ流すのか、巨大な広告主だからである、他に理由はない。
自らは宅配制度という保護障壁に守られ、世間を高みから観ているから、フリーターも、ハケンも、ホームレスも、アキハバラも、真相に迫ることができず上っ滑りな見かけだけ綺麗で、ショーには向くが実用にならないファッション記事しか書けないのである。
何よりも先頃の自民党安部政権放り出し、麻生手の中からこぼれ落ち、福田ニンマリ拾い上げ政権という三文芝居を延々と報道し続けたマスコミがその動かぬ証拠である。挙げ句、内閣支持率が50%を越えたと提灯記事を掲載している。嘘を言うなということである。お祭り騒ぎを報道した後に、年配者の多い時間帯で限られた対象人数へ電話世論調査すれば、どんな結果が出るかプロならお見通しである。だけどそんな世論調査の内幕は記事にはならない。
三紙提携は「藤代裕之@ガ島通信」が伝えるものであるが、彼も新聞界出身だけに古巣に対する見方は甘いようである。
この件については横浜逍遙亭さんも、「新聞大連合」と題して辛口記事をアップしている。
ブログついでに、最近のブログ記事ではSatoshi Nakajima:life is beautiful」記事が出色である。
「プレゼン初心者が覚えておくべき3つのポイント」は茫猿もよくする間違いである。心する。
「ジョブズの本当の偉大さは彼が引退してから分かる 」は、なるほどである。
「General Management & Strategy」というフレーズも憶えておきたい。
「General Management & Strategy」はどう訳しましょうか?
統合管理と経営戦略???、統合経営と戦略????、総合経営と戦略?????
もう一つ
宋文洲のメルマガの「読者広場」 :『美しい言葉が偽善に聞こえる瞬間』も憶えておきたい。 宋文洲いわく、「自信を失いかける内向きの組織では高尚な言葉が多く使われる傾向があります。しかし、その言葉と実態の矛盾が必ず大きくなり、かえって人々の不信感を増幅させます。その瞬間、美しい言葉が偽善に聞こえてきます。 」
そうだよねー、「美しい国」もすっかり手垢がついて薄汚れてしまったね。使い方を間違えなければ佳い言葉なんだが、この言葉を泥まみれにした罪は大きいよね。紅葉を見ても、雪化粧をみても、ぴたっと決まるキャッチコピー「美しい国、日本」、しばらくは使えないよ。
関連の記事
- 新聞記事切抜帖 : 2009年6月1日
- 産経新聞の危うさ : 2020年1月19日
- 藤原新也 : 2011年3月22日
- 弓を緩めるとき : 2007年12月22日
- 住宅価格指数、試験配信 : 2011年1月16日
- 9/7読売新聞社説:原発の本音 : 2011年9月11日
- 自衛隊派遣と新聞論調 : 2003年12月10日
- 姉妹提携の盟約 : 2006年3月31日
- ガンバレ清志郎 : 2006年10月13日
- 新スキーム説明会資料 : 2005年8月18日