E会員よりの質問と回答

 九州在住のE会員よりREA-DATAを通じて、以下のご質問を頂きました。モデルの根幹にふれるご質問ですから、REA-DATAを通じてお答えしました質問と回答を協会会員の皆様に開示します。  (本エントリーはREA-DATAからの転載です。)


『E会員のご質問』
先日より、資料の提供、誠にありがとうございます。
頂戴した資料を元に、県士協会の若手中心に概要を説明したところ、以下の質問がありましたので、お忙しいところ誠に恐れ入りますが、ご回答頂ければ幸いです。
1.初期導入コストについて
RIA-MAPを利用する場合、現在のRIA-NETの利用コストとは別に追加の費用はどれぐらいになりますか? (地図データ等の追加コストは別として)
2.事例検索機能について
取引事例を表示する場合、規模や地域の種別,価格水準などである程度の絞込み(検索)を行って表示することは可能でしょうか?
また、可能なように作り込みを行う場合は追加費用がかなり発生するのでしょうか?
『森島の回答』
(最初にお断りしますが、本回答はNSDI-PTの公式見解ではなく、森島の私的見解であることにご留意下さい。)
1.初期導入コストについて
 NSDI-PTの当初から変わらぬ目標は、プロトタイプのGISモデルを構築することにより、事例作成の負担を軽減し、その利用効率を高めることにあります。 さらにそれら蓄積された情報を利用して社会に有益な不動産情報提供を行うことにあります。 構築中のプロトタイプモデル(仮称REA-MAP)は、11/21開催のプレゼンテーションを経て、構築の最終的な検討を行っており、年初にはインターネットを通じて、会員の皆様に公開できる予定です。
 つまり、当モデルは実用可能な試作版という位置付けです。来年度以降にこのモデルを利用して実際に運用するには、幾つかの解決しなければならない問題がございます。この点に関しては、現在NSDI-PTにおいて次年度事業計画案作成の準備に入っておりますが、この事業計画案が鑑定協会の次年度事業計画の中でどのように位置づけられるかが、プロジェクトの成否を左右するものです。解決しなければならない問題点としては、次の事項が挙げられます。
(a)収集分配システム(新スキームシステム)・及びREA-NETにて構築準備中のそのバックアップシステムとの統合
※重複するシステムを運用する過重な負担を避けることが必要です。
(b)REA-NETとの統合
※同じ意味で、重複する認証システムの運用を避けるために、REA-NET認証システムとの統合が必要です。 
(c)基盤地図の選定
※ご質問でもふれておいでですが、地理院地図のみで運用するのか、商業地図も併用するのか、選択が必要です。 この件に関しましては、2008-12-03付けREA-DATA開示「背景地図検討081128.pdf」の各種地図採用経費比較資料をご参照下さい。
(d)運用版作成並びに試験運用地区の募集
※以上の問題点を解決して運用版を作成することとなりますが、全国一斉運用は不測のトラブルが予想されますので、一年程度の試験運用期間が必要と考えられます。 同時に、試験運用を引き受けて頂く士協会を募集する必要があります。
 なお、あえてふれることを避けましたが、鑑定協会財政は逼迫の度を高めております。そのような財政事情の中で、新規事業が認められるか否かは、会員の皆様の本事業へのご理解とご支援にかかっております。 会員各位の一層の御理解並びに御支援をお願いするものです。
 以上の次年度以降の事業行程を経てREA-MAPは本格運用されることとなりましょうが、ここに至るまでの事業費用の一切は鑑定協会が負担するものであり、単位会に初期導入コストの負担を求めることは無いと考えます。
端的に言えば、REA-NETに追加の機能を加えるものであり、サーバ等の増強費用を含めて現在以上の負担を求めることにはなりません。 ただし、地理情報データファイルの管理費用が新たに発生します。これは現行のREA-JIREIのデータ管理費に若干額の加算を行うものとなろうと考えます。
 これら士協会が負担する運用管理費の積算は、試験運用を経て確定されるであろうと考えますが、会員一人当たりにとってさほどの多額になろうとは予想していません。それよりも収集分配システム(いわゆる新スキーム)との統合的運用による経費削減効果の方が大きかろうと考えております。
2.事例検索機能について
 現在のプロトタイプモデルは、地図表示の為の検索システムを用意しております。それは地価公示、地価調査、取引事例、それぞれの所在地データから地図縮尺を指定して地図を検索するものです。 ご質問の「規模、地域の種別,価格水準」等からの検索は、前質問への回答に述べましたとおり、REA-JIREIから行うべきものと考えます。現在、既に用意されているREA-JIREI検索システムを用いて事例データを検索し、事例地や公示地等のテキストデータ(事例様式一枚目等)を表示させると同時に、地図や地形図も表示させるというシステムがベターなのではと考えられます。 この為にもREA-JIREIとREA-MAPの有機的統合が必須事項であり、取引事例収集分配システム(REA-NETにて構築準備中のバックアップシステム)との統合が必要なのです。
 また、別の視点から申し上げますと、REA-MAPはREA-NETと同様に、必要以上の作り込みを行わないと云う思想に基づいております。至れり尽くせりのシステムを構築しない代わりに、シンプルで簡易なシステム構築を目標にしたいと考えます。 カスタマイズは各単位会の所管事項ですが、システムの重装備的作り込みよりは、利用会員のスキル向上が好ましいと考えております。
 以上、的確なお答えになりましたか否かは判りませんが、NSDI-PTに携わる一員として理解しております範囲でお答えしました。 年明け以降には次年度事業計画骨子案等をREA-NETを通じて公開して参りますから、その都度、ご意見をお聞かせ頂ければ有り難く存じます。
    (以上文責 NSDI-PT・森島信夫)

関連の記事


カテゴリー: NSDI:地理空間情報, REA-NET構築 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください