老いて瑞々し

 先ほど、業界のA氏からファクシミリが届きました。 斯界では自他共に認める名うてのうるさ型で通るA氏です。ご本人も「俺たち年寄りが言わなきゃ誰が言う。」と自認されているほどです。 そんな彼にもこんな一面がと、認識を新たにする文面でしたので、紹介させていただきます。


 それは今朝の(09/01/16)朝日新聞・天声人語について、彼の感想を知らせるファクシミリでした。
 今朝の天声人語は「現代学生百人一首」を話題として取り上げているのです。天声人語氏はこのように言うのである。「毎年この季節、東洋大学から届く「現代学生百人一首」を楽しみにしている。急ぎ足で過ぎる青春の日々を、虫ピンで留めたような言の葉の数々。22回目の今年は全国から6万3千首が寄せられた。」   「現代学生百人一首」は東洋大学が募集し公表している若者(主に高校生)の歌選である。今年で22回を数えるという。
 なかで、A氏が秀逸とするのは、
『こんなにも キレイにノートを とるのはね 君に「貸して」と 言われたいから』
(愛知県 県立刈谷高等学校 2年 榊原 香菜) である。
 氏はこう続ける。「この歌を読んだあと、なぜか、・・淡い初恋消えた日は、雨がシトシト降っていた・・という歌詞が口から出てきました。」  以外である。齢六拾半ばに達していて、遠い青春の思い出にひたる一面があろうとは、老いてなお瑞々しである。 今度お会いしたら聞いてみたい、ノートを借りた遠い思い出はいかがでした!! かと。
『日本にも オバマ旋風 巻き起これ みんな待ってる 頼れる総理』
(埼玉県 県立熊谷女子高等学校 1年 松村 かおり) という歌につづけてA氏は云う。
 「若者、働き盛りが野宿をするような雇用形態は、無くさないといけない。 大人、有権者の責任です。」 そうなのです。 大人・有権者の責任であると同時に有識者の責任でもあろうと思います。 鑑定士も専門職業家を自負するのであれば、批評家や傍観者であってはならないのであり、小さくともささやかでも何を為すかが問われているのだと思います。 A氏のコメントもその意味であろうと思います。
「追記」
 鄙の堂守が心に留めた歌を二、三首。
『口に出せぬ 想いを心に 秘めたまま 君の姿を 目が追っている 』
(千葉県 県立市川東高等学校 3年 佐藤 優太 )
『神様は 誰も隅っこに 行かせないように 地球を丸く したんだ 』
(沖縄県 県立小禄高等学校 1年 高橋 秀)
※これは昨年、第22回の入選歌です。
『「受験費用 心配しなくて 良いから」と 父のメールに 涙こらえる 』
(埼玉県 県立松山女子高等学校 3年 小林 麻未)

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