小一時間も庭仕事をすれば汗ばむ陽気である。
ふと見上げれば、ヤマボウシの青葉越しに夏雲が見える。
オバマ米国大統領が国賓として来日している。二泊三日の日程といいながら、実質二泊二日の慌ただしい日程と気の毒なくらいギュウギュウ詰め行事の連続である。 さらに気の毒なのはTPP交渉担当者である。離日までの限られた時間のなかで、何らかの合意成果を得ようと深夜交渉の連続である。安全保障問題で日本に言質を与えた米国としては、なにがしかでも貿易交渉成果を得なければ鼎の軽重を問われるというものであろうし、日本としても共同声明が発表できなければ米国のくれた言質も雲散霧消しようと云うところである。 《先ほどのニュースでは、共同声明は発表できたようである。 13:00》
尖閣諸島は日米安保条約の対象範囲であると言明した米国大統領の記者会見であるが、注意深く聞けば安倍総理が手放しで喜べる程のものではなさそうである。
「尖閣諸島が安保条約の対象範囲」という事柄は、日本が実効支配している現状に照らせば施政権の及んでいる範囲として当然に条約の対象範囲となるものであり、《政治的リップサービスという意味はあるだろうが、》いまさらこと改めて言及するまでのことはないのである。
しかも米国はこの大統領言及が直ちに米国の武力行使につながるものではないと念押ししているし、日中間の領土紛争には関与しないと明言しているのである。 日中両国はこの問題を平和的に解決すべきであるとも言っている。 大統領記者会見の内容について、何処に力点を置いて読むかが大切なのであろう。 くれぐれも我田引水的な都合のよい解釈はしてほしくないものである。その意味からは「集団的自衛権にかかわる解釈改憲」についても、共同声明が言及しているのであれば、注意深く読んでみたいものである。 とはいっても、日本の憲法解釈について「米国のお墨付きをいただき」、それを振りかざすのであれば、とても情けないことである。
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