数値化比準表:あとがき

気づけば、明け方である。外は白々としてきている。
久しぶりに徹夜をした。母の介護と見送りのころ以来であろう。
土地価格比準表[六次改訂]と題する記事をアップしてから、茫猿は考えた。
土地価格比準表が20年間も改訂されていないことに苦言を呈するのであれば、そのあいだに茫猿は何をしていたかについても語るべきであろうと。 同時に20年間の紆余曲折の結果も述べるべきであろうと考えた。幸いなことに、現役を退いた今の茫猿は何も憚ることはない。

そこで、数値・数量化比準表と題する記事をアップしたのである。この記事を一から書き上げたのではない。鄙からの発信塾で使用した原稿ファイルも残されていたし、一部の方に提供したファイルなども残されていたから、それらをもとにして辛口コメントを書き加えたり、言い過ぎを削ったりして「数値・数量化比準表」記事を作成したのである。

記事をアップしたのちも推敲を加えていたら、久しぶりの徹夜になったという訳である。 まだ徹夜ができる茫猿に己自身が驚いている。まだまだできるもんだと自信も少し回復しているところである。 これもMacintoshに復帰したせいかもしれない。ユーザーフレンドリーなMacであればこそ、長時間の作業にも耐えられるし、新しい機能を探し使う喜びも味わえるということである。つくづく、Macなればこそと思わされる。

なお、宅地評価モデルを開示したことであるから、ついでに開発見込み地・農林地モデルや、関連するpdfファイルも開示する。ホームページ・TOPカバー写真の下・公開評価モデルから閲覧及びダウンロードができます。
別の箇所でも既に記述していることであるが、茫猿が提唱する数値・数量化比準表は格別理論的なものではない。ましてや統計解析を説明するものでもない。数値・数量化比準表を用いることの最大の理由は、鑑定評価の思考過程を明らかにし依頼者ならびに第三者への説明責任を全うすることにある。だから、この比準表を用いれば評価ができるというものではない点に、ご注意願いたい。

池の鯉の写真を記事に挿入して、初めての鯉スナップと書いたが、「鄙からの発信」を始めた頃にも池に鯉はいた。けれど、当時《1999〜2000年ころ》では、デジタルカメラは使っていたが、サイトに写真を掲載することは容易ではなかった。テキストデータのアップが手一杯で、イメージデータなど考えもしなかったというのが実際のところである。その後は池の漏水事件などがあり、最近まで池に鯉はいなかったから、鯉の写真をあげようもなかったのである。《追記 「鄙からの発信」がmorishima.com 発信から、exciteブログに移った2005/05から写真を気軽に掲載できるようになった。》

引退したのだから、老いの伴に柴犬を飼いたいなと思ってはいるが、犬を飼えば泊まりがけの旅など難しくなるからと、思いとどまっている。その点、鯉は数日くらいなら放っておいても、特に問題は生じない。五月蝿く吠え立てることもない。慣れてくれば、飼い主の足音を聞きつけて餌をねだりに池の畔までやってくる。何よりも長生きである。今回放流した鯉は当年三歳だから、あと三十年は生きるだろう。 間違いなく、茫猿は遺言で池の鯉を陋宅の脇を流れる川へ放つよう、書き置かねばならないだろう。

記事中に写真を挿入することも、PDFファイルのURLリンクを表示することも、茫猿は承知していたけれど、EXCELファイルのリンクも表示できるとは迂闊にも知らなかった。 記事をお読みいただければ解ることであるが、演算モデルの実際のところを表示しなければ、理解できないであろう箇所も多いのである。最初はPDFファイル掲示で済ませようかと考えたが、どうせのことならと、数値・数量化演算モデル.xlsの開示もしようと考えた。 がしかし、その方法で悩んだのである。ダウンロード・サイトを新たに作ろうかと考えたが、作成者側も利用者側も七面倒なことである。 ところが、サイト作成に利用しているWordPressでは容量の限界はあるが、アップするファイルの種別を基本的に問わないことに気づいたのである。

そこで、xlsファイルのURLを記事中に挿入できたという訳である。WordPressのマニュアルを開いたり、Morishimaサーバの管理者が以前に送ってくれたメールを検索したりと、BouenのLittle Grey Cells はフルに働いたのである。《そんなに自賛するほどのことでもないが》

かくして、茫猿の小さな脳髄は少しばかりボンヤリしているけれど、とても爽快な気分を味わっている。 ずいぶんと遅まきであり既に色褪せてはいるけれど、懸案事項を終えたという気分なのである。 すべては「六日の菖蒲、十日の菊」「遅かりし! 由良之介」であるにしても、「鄙からの発信」としては、1999年以来の懸案事項に一区切りをつけることができたと考えている。 これもまたひとつの終活なのである。

当然のことではあるが、このような今や陳腐化しているモデルが世間に通用するなどと自惚れているわけではない。茫猿はそれほどの井蛙でもないし惚けてもいない。ただ、何かの参考になればと考えるのと、土地価格比準表が20年も改訂されずにあることをいたずらに言揚げしているのではないと言うためである。この開示が、取引価格情報提供制度によって業界にもたらされている多数の「いわゆる三次データ」や「零次、一次データ」の有効活用に道を開く、小さな手助けにでもなれば良いと願うのみである。

それでは、お寝みなさいと時刻を確認すれば、06:03 である。

【追記 2014.06.18】数値、比準表による検索結果
土地評価と比準表 2 | ヴァリューテックコンサルティング(株)

路線価計算における比準表の回帰的分析 | ヴァリューテック 

・Ⅱ 実証データに基づく比準表の作成 1 はじめに – 愛媛県不動産 

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