6月26日に止揚学園の総リーダー「福井達雨先生の毎日新聞社会福祉顕彰・受賞をお祝いし止揚学園と共に歩む会」が、滋賀県能登川町で開かれました。梅雨晴れのなかで、学園に多くの方々が集って、楽しい心温まる会でした。会の全てをお伝えはできませんが、心に残った多くのことのなかから、幾つかをお伝えします。
その1,お祝いの詞のなかから
「止揚学園が三十数年前に能登川町佐野に開設された頃は、歓迎された訳ではなく、云われ無き差別や無理解と戦う毎日でした。しかし、その偏見や差別と戦うことが学園の前進の力となり、今日を迎える大きな原動力であったこと。さらに今では地元・佐野の人々の有形無形の支援が学園の大きな力となっています。」
その2,園生の劇より
園生が「つるのおんがえし」という劇を演じて歓迎してくれました。重度の知的障害の人々が保母さんや観客の助けを借りて演じる劇ですから、稚拙といえばとても稚拙です。しかし、天真爛漫で(いささか陳腐な表現ですが、これ以上に表現できません)とても明るい劇でした。不揃いや無邪気さや一生懸命さが、笑いもあり、目頭を篤くすることもある劇でした。発表する楽しさを、全身で楽しんでいる、そんな感じが一杯しました。(園生は色々な事情から、学園を巣立つことができず、皆さんが成人です。)
その3,福井先生の講演より
「人権を守ると云うことは、強者が愛をもって弱者に譲ることによって実現すると考えます。」「正義が高慢心と結ぶと嫌な世の中になります。強者が支援される弱者に謙虚さや控え目を求めるのは驕りの心です。日本の福祉は生活保証的には世界でも上位の水準にあると思いますが、福祉の豊かな心の実現からは些か遠いと思います。」
「私、福井は三十数年間、園生と過ごして多くのことを教わりました。しかし、彼等に何もしてやれなかったと詫びています。義務教育を終了させることも、就職させることも、結婚させることもできませんでした。」「これからも、障害者が健常者の中に互して、通学し就職し結婚できる世の中がくるように頑張ってゆきたいと思います。」
先生のお話は全て私の聞き覚えによるもので、正確にはお伝えできません。もし、不確かな表現や不適切な表現があれば、私の責任です。先生の業績や著作の紹介は、末尾に記載するホームページのなかに掲載していますので御覧下さい。特に著書をご購入いただきますと、販売益は学園の支援だけでなく、広く福祉の実現に役立てて頂けます。又、どの本をお読み頂いても、支援されなければならない社会的弱者への先生の暖かく篤い思いが溢れています。
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