士検&中間法人

【茫猿遠吠・・士検&中間法人・・02.07.12】
 久しぶりに前向きの話です。少なくとも鄙の堂守だけはそう思っています。
前向きの話-その1 「士検と車検」
 自動車の車検は色々な問題がある。今や、国産・外国産を問わず「10年間ま
たは10万キロ」の間は部品交換や修理なしで走行可能であるにも関わらず、
3年又は2年に一回は車検を受けないと公道は走れない。
 しかし、期間の長短是非はともかくとして、車検の存在は交通安全と、
車そのものの新陳代謝に寄与していると理解できる。
 しかるに、ライセンスの多くは資格を取得したら、それっきりである。
何年前に取得しようと、つまり明治年間に取得しようと鑑定士は鑑定士である。
【鑑定士の最古は昭和30年代であり、明治・大正世代はいない。ただの比喩で
ある。】
 ここでも唯一、運転免許は更新制度がある。経歴に応じた講習も付加されてい
る。がしかし、医者も弁護士も税理士も『不動産鑑定士』資格にも、実質更新制
度はない。
 時あたかも、鑑定基準の全面改定時期である。明確に義務研修とされていない
眠いだけの講習などより、再試験制度を行ったら如何であろうか。
DCFのプログラミング及び実査並びに演習試験は如何なものであろうか。
 不動産鑑定士制度発足以来、数次の改訂やら留意事項公布を経て、茫猿なんか
は資格取得以来30年余を経て、その機能はすっかり陳腐化しているから、この
際新たに受験して、その能力・識見が世に通用するものか否かを試してみたい。
不遜にも思いめぐらすのです。
 世迷い言と笑うなかれ、「寝たきり老人でも鑑定士は鑑定士」などという制度
はどこか怪しいと考えるのが世間の常識というものであり、一端、取得したら永
世鑑定士と云うこと自体が世間の非常識である。
 年々歳々、仕事の中身は変化し、関わる法令も、手法も、取り巻く環境も変化
しているのに30年前のライセンスが今でも通用すると思う方が変だと、考えま
せんか。如何に
 制度に頼らない鑑定士も多かろうと拝察します。しかし、自ら変えるものを天
は佑といいます。これぞ天佑神助であろうと考えます。また、市場が淘汰すると
宣う向きもあるでしょう。でも自ら律することなくして叶わずと考えます。
敗者復活制度付きの「士検」の実施が、鑑定士への信頼を復活させると考えます。
士検の世界に船出しよう。永久資格のぬるま湯から出よう。『茫猿夢想』
前向きの話-その2 「資格者法人と中間法人」
 弁護士法人、税理士法人等々、監査法人に倣って資格者法人続出である。
唯一、鑑定士法人だけが話題にもならない。
話題にもならない理由は、我が業界固有且つ自明のことであるから、何度もふれ
ないが、何とも情けない話である。
 そこで茫猿は考えました。「中間法人制度」である。
不動産鑑定士法の改正がベストであるが、モアベターな方策として「中間法人・
○○不動産鑑定研究会/協議会」は如何であろうか。
 
 中間法人制度が発足した背景は色々とある。しかし、現に制度が用意された以
上、その有効な利用方法を考えてみたいものである。
少なくとも、株式会社制度や社団法人制度や財団法人制度あるいは組合制度に飽
き足らない思いを抱いている不動産鑑定士にとっては一考に値する制度だと考え
ますが如何。
 この面白い制度を町内会や同窓会だけが利用するのは勿体ないと考えます。
「無限責任中間法人・不動産鑑定士協議会」と「有限責任中間法人・不動産鑑定研究所」と
【株式会社・不動産鑑定士事務所】や『株式会社○○不動産・鑑定部』
が競う世界は見物だと思います。
 鑑定士が個々の識見により、主体的かつ自主的に集い創り上げる新しい法人格
のもとで、新しい鑑定の世界が開ける。それ自体がドンキホーテだとせせら笑う
方々の吠え面を、いつの日にか見たいと夢想する茫猿です。
以下はテーマだけ掲げてみる。
・公益法人と中間法人。
・公益法人から中間法人への道がなぜ閉ざされたか。
・公益法人の転換手続きは、骨子案まではあったが法案では削除された。
・公益法人の実態こそが日本社会の病巣を現す。
・優遇税制、補助金、補助事業、天下り、許認可。
・規制と裏腹の保護がもたらす甘い罠。
・規制緩和は補助、庇護、保護をから、業界を冷たい風吹く世界に解き放す。
・庇護と規制と一定の果実世界に安住する、奴隷の幸せ。
・所詮、持ちつ持たれつとはいえ、凭れる世界から脱出しようではないか。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji40.html
http://www.ron.gr.jp/law/law/chukan_h.htm
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

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