ススキノ情話

【只管打座・・薄野情話・・03.09.16】
　二年続きで札幌にお邪魔しました。訪問の目的やその次第は茫猿遠吠に書き
ましたから。此処では薄野を中心に述べます。と申しましても台風に急かされ
た慌ただしい二泊三日の旅ですから、何ほどの観光も致しておりません。
　薄野は11日にご案内頂いた料亭とラウンジスナック、12日にご案内頂いたキャ
バレー・エンペラーとお寿司屋さんだけです。
12日には、会議の合間をぬって、北海道開拓の村に行ってまいりました。
・札幌エンペラー
　昔懐かしい本格派キャバレーです。ステージショーが売り物でして、茫猿が
訪れたときは「寺内たけしとブルージーンズ」ショーでした。ご招待ですから
詳しい料金は確認していませんが、エレキの名曲の数々に酔う一時間は大層お
値打ちなものと思います。来週は「北原ミレイ」の出演とか、本場で聞く石狩
挽歌は胸に沁みるだろうと思います。
　ブルージーンズショーは、還暦過ぎとは思えない寺内たけしの熱演で大いに
場内が盛り上がりました。なのに我が会のお歴々は拍手も小さく、スタンディ
ングオベーションも無し。場内にその一画だけが異質な感じで乗りが悪いのは
何故なのだろうかと考えさせられました。
　平均年齢は６０歳くらいですから、皆さんがエレキバンド全盛の往事を体験
しているはずなのに不思議です。
　ひょっとして、「ワシャ、鑑定士の偉い先生や、エレキなんかに浮かれられ
るカイ。」とでも、お考えなのでしょうかネー。
http://www.sapporo-cci.or.jp/suishou/kameishop.cgi?FCODE=64
・北海道開拓の村
　広い敷地に、開拓当時の建物を移築復元した野外博物館です。口の悪い同僚
が掘っ立て小屋ばかりと言いましたが、決してそんなことはありません。
木造トラス構造の大きなニシン網元の家、木造旧札幌駅、交番、寺院、待合い
旅館、仙台藩出身者のがっしりとした民家、などなど開拓の苦労を偲ばせる数
十の建物が展示されるなかを鉄道馬車が行き交います。
　そして、多くの市民ボランテイアの皆さんが当時の書生、網元、警官、女学
生などに扮装して園内を歩いています。気軽に声をかければ、案内をして頂け
ますし、先方から声がかかり記念撮影にも応じて頂けます。
　札幌から鉄道利用であれば安く行けたのですが、時間の都合もありタクシー
で往復しましたから、入場料共で一人当たり五千円強の出費でしたが、納得で
きる開拓村遊覧でした。
http://www.kaitaku.or.jp/
・交番正面で岐阜士協会樹下副会長の記念撮影

・交差する鉄道馬車

・馬車鉄道の沿線風景

・モスクの様な札幌旧公会堂

・札幌の寿司、六花亭、鮭ホグシ缶
　札幌と云えば、やはり寿司でしょう。北海ネタの握りは、岐阜ではとても味
わえません。軽く焙った北寄貝、とても美味でした。殻ムキの潮味の濃いウニ
は、言葉になりません。イクラは母鮭も下拵えも違うのでしょう。
　極め付きは、函館沖の地マグロです。トロもヅケ(赤身を醤油漬けにした刺
身)も、至福の境地です。
　函館沖のマグロは大間(青森)沖より旨いと自慢する店主の店は、市電ススキ
ノ駅の南約200ｍ、十人も入れば満席の豊寿司さんです。仕事で月に一回は来
道する畏友横瀬氏の薦めは本物でした。
　六花亭のイチゴチョコレートはご存じでしょうから割愛します。
http://www.rokkatei.co.jp/
　9/13は台風が近づいていましたし、雨も激しいので二条市場に寄って乾物を
買い求めた後、予定を切り上げて空港で空席待ちをして午後一番の便で帰りま
した。二条市場ではホタテや鮭トバなどの乾物を求めたのですが、乾物屋の店
主曰わく、「このホタテは３年モノだが、五年モノは全く味が違うよ、食べて
御覧。」と云います。茫猿は差し出された３年モノをかじり、次いで５年モノ
をしゃぶりましたら、やはり旨味が随分と違います。
　「ホタテも３年乾燥と５年乾燥では旨味熟成度が随分と違いますね、値段も
張るけど値打ちがありますね。」と答えたら、店主吹き出して曰わく。
「お客さん、３年乾燥じゃないですよ。３年海にいたホタテと５年海にいたホ
タテの違いですよ。ご覧なさい、大きさが違うでしょ。」
　その間口一間ほどの乾物だけの小店で、1300円の鮭ホグシ缶を勧められまし
た。こんどは缶にしてから、一年熟成させたホグシ缶だそうです。特注品のよ
うでして、缶のラベルなし愛想のない紙箱入りの鮭缶を二缶買いました。
値段を伝えれば家人は目をむきますから内緒ですが、味は二味三(美)味違いま
す。日頃、買い求めるものはシャケカンですが、これは紛れもない鮭缶でした。

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