REA-MAP・今

NSDI-PTが進めているREA-MAP構築事業は佳境を迎えています。 それだけにお伝えしたいことは山ほどございますが、時期的に微妙であることや審議中のことでもあり、詳細については公式発表までお待ちいただきたいと存じます。
そこで、2002/04以降のREA-MAP利用について、先日のご質問も踏まえて、今の状況をお伝えしようと思います。


REA-MAPに搭載して、各クライアントのモニターに表示されるデジタル地図の上で見ることが出来る情報として、現在予定されているのは、地価公示、地価調査、取引事例(三次~五次情報)です。 固定資産税標準宅地に関する情報は鑑定協会は何も保有してはおりません。 各単位士協会においても、網羅しているところもあればそうでない士協会もあると仄聞しております。
また、網羅していても様々な事情から標準宅地地点の緯度経度情報も有しているとは限りません。 標準宅地地点の緯度経度情報はジオコーデイングにて一括取得が可能ですが、標宅の性格からして当該位置情報の正確さが求められますが、ジオコーデイング・データは必ずしも100%の満足を得られるものではありません。 その点、地価公示及び地価調査に関しては「国土数値情報」が整備公開されていますが、固評等に関しては未だ未整備です。
したがって、REA-MAPを利用して地図上に固評標宅地点を表示させるためには、各士協会においてデータ収集並びに整備して頂く必要がございます。 一定のフォーマット(公示や事例と同じデータ形式)にてデータ情報を用意していただけば、REA-MAP画面上に表示することに大きな問題点はありません。
この点に関して(財)資産評価システム研究センターは、自らのサイトで以下のように述べている。

(1)固定資産税路線価等データ
市町村長は、地方税法第410条第2項の規定によって、地域ごとの宅地の標準的な価格を記載した書面を一般の閲覧に供しなければならないとされています。
本サイトでは、各市町村が一般に公開した前述のデータを、市町村からデジタルデータとして提供を受けて、そのまま公開するものです。したがって、市町村で公開している図面の内容と一致しているかどうかは、確認できませんのでご了承ください。
なお、デジタルデータの全部または一部未提供の市町村もありますが、提供があった市町村から順次登載し、公開しています。

さらに市町村では、財団へのデータ提供と並行してGIS-API等の提供を受けていることから、市区町村役所内ではフル画面表示の地図上で固定資産税路線価等データ を閲覧することが可能となっている。(この項は未確認だが、確度の高い情報である。) したがって、市区町村内の価格均衡検討は言うに及ばず、隣接市区町村間均衡もデジタル化された環境で行い得る状況にある。 有り体に云えば、業務依頼者の作業環境が受託者の作業環境の先を行っているということである。 先般の質問者の背景には、このような状況への危機感が存在すると思われるのである。 同時にこのような危惧される状況は何も固評だけではなく、様々な局面で指摘できるのである。
ところで、REA-MAP実証実験参加士協会を昨秋に募集しておきながら、今に至るもその実験に関わる詳細な公式発表を行っていないのは怠慢と批判されてもやむをえないところですが、プロジェクトチームの一員として申し上げれば、とりあえず申し込みはしたけれど、その後の推移に無関心な各士協会側にも一端の責任有りと申し上げれば不遜でしょうか。
このサイトでも、カテゴリ「NSDI:地理空間情報」記事にて何度も申し上げているところですが、NSDI-PT任せにせずに、会員の皆様が常に関心を示し、様々な意見を述べて頂くことが一番重要であり、ひいてはそのことがREA-MAPをより良いものに近づけてゆくと考えます。
GISを利用する評価というものが、どんな新しいスタイルをもたらすのか、どんな利用を望むのか、どんな情報の搭載を望むのか、会員のお考えを知りたいところです。 同時に会員の関心の高さがNSDI-PTの推進を後押しすると思います。
三年に一度の固評評価替えが始まる22年度に、REA-MAP搭載が求められるであろう情報は、固評標宅関連に止まらず、状況類似地区情報、小学校学区図情報、都計用途地域図関連情報、土砂災害特別警戒区域等のハザードマップなどなど多方面にわたるであろうと思われますが、それらは総て各士協会自らが収集し搭載を希望することが前提条件です。
そのような意味からは、各士協会においてもREA-MAPをどのように使ってゆくのかという検討を、開始する時期にあるのだろうと思われます。
このことに関連してREA-NETの利用状況の現状に関する興味深い情報を最近に知りました。REA-NETの内、REA-INFO並びにREA-DATAはH22地価公示業務からその利用が定められましたから、利用が比較的普及したようですが、REA-JIREIの利用状況は未だ道遠しという状態のようです。 データの安全管理という面からだけでもREA-JIREIの活用が望まれるのですが、全国士協会のうちREA-JIREIを利用しているのは1/4未満のようである。 コンプライアンスなどと大上段に振りかざさなくとも、安全管理、利便性向上、ペーパーレス化などなどを考えれば、変えてみる、試してみるという姿勢も持ちたいものだと思われるが、如何なものでしょうか。

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