睡蓮が咲いた。紅い花の横に白メダカが泳いでいる。
睡蓮を栽培する瓶は直径約60cmの土管である。水深は約50cm、底はコンクリートで固めてある。メダカは孫のためにと息子がお千代保稲荷で買い求めてきたもののうち、何匹かが冬を越している。一つ瓶には白メダカ、もう一つの瓶には黒メダカが放ってある。
父母がいなくなって既に七年目になる。この睡蓮瓶も母がいなくなってから埋めたものである。改めて眺めてみれば、この七年のあいだに畑も庭も雑木林も随分と様子が変わってきている。父母の庭から私の庭になってきたと云えよう。その伝で云えば、母屋だって父母の母屋から家人の母屋に転じたと云えよう。年々歳々、人も変われば庭も変わる。
ジャガ芋の収穫《掘りあげ》に苦労している。普通なら畝を崩せば楽々と収穫できるのであるが、今年は伐採した柿の木の後を開墾して植付けた。一応の耕しを行い堆肥を入れた畑は開墾地にしては上々の出来である。
しかし柿畑の跡地だからスギナなどの根が随分と蔓延っている。これを放置してイモだけを採りいれれば、次回からの栽培管理が面倒なことになる。だから、イモを採りいれながら、深く耕して地中の根を取り除く作業を行っている。これが結構な力仕事だから、採り入れ作業が遅々としてはかどらないのである。でもこの作業を確実に行っておけば秋以降の畑の管理が楽になり、佳い畑に変わるのである。手抜き仕事は後から帳尻合わせがやって来る。
《今日の茫猿、日々こんな暮らしをしている。》
05:30 起床、洗面、朝食の準備、朝食、新聞を眺める。
08:00 畑に出てジャガ芋掘り。
09:00 中断して、盆栽棚を置き換える。あわせて庭の敷きレンガを修復。
11:00 インゲン豆、ダイコン、ニンジンを当座用だけ収穫。
12:00 トマトの支柱用に細竹を伐採する。支柱立て。
13:00 昼食の準備、昼食、昼寝。
14:00 雑木林や畑を見廻った後、母屋前の梅の徒長枝を切りとる。ついでにサツキの花殻を摘む。
16:00 芋掘り再開。
17:00 農作業終了、汗が目にしみるので薬店まで目薬を買いに行く。
19:00 夕食、テレビを見ながらSNSをウオッチング、「鄙からの発信」更新。
24:00 就寝の予定だが02時から、BSプレミアムカフェ・桂離宮が放送されるから、今夜も夜更かしかも。そうだ、参観の申し込みをしなければ。《結局、BSを観たので三時まで起きていた。》
同じ作業を延々と続けるのは疲れが倍加するから、気分転換に違う作業を挟みながらジャガイモ掘りをするのである。力仕事と軽い仕事、屈み仕事と立ち仕事などを交互に行っている。あらためて書き出してみれば、実にこまごまと様々な作業をしている。
《2016.06.09 05:02追記》
結局、この時間までうたた寝をしながら起きてしまった。桂離宮を観て、参観申し込みをネットでしてから、ラジオ深夜便で「犬塚 弘さん(クレイジーキャッツ・ベーシスト、俳優)「第二の人生は舞台から」を聞いていたら、この時間になった。 犬塚さんが「人生は女房、仲間(クレージーキャッツ)、舞台」と語るのを聞いていて、犬塚弘の醸し出していた雰囲気は、ここから生まれていたのだと思った。《犬塚弘 1929年生まれ87歳》
先年亡くなったが、結婚する前から病身だった妻と六十年余も連れ添い、今も愛していると語る、彼の生き方がそのまま表れているのが彼の演技だったのだと知ったのである。
《もう名残りの花になったサツキが、八重に咲いています。》
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