資料委員会報告00.02.06

第三回の資料委員会が、2月4日に鑑定協会会議室にて開催されました。
議題並びに審議経過は次の通りです。
1.平成11年度事業報告案及び平成12年度事業計画案
協会の2年に一度の役員改選とその後の立ち上げの経緯からすれば、や
むを得ないことですが、実質今期2回目の委員会で、早くも事業報告や
ら事業計画を審議しなければならないことには、毎度のこととはいえ複
雑な想いを禁じ得ません。
時代の変化の速さに呼応してゆこうという姿勢が、単に資料委員会のみ
ならず協会全体に欠けていることの反映であると考えます。(この項に
ついては、後ほどまとめて記述します。)
2.土地政策審議会取りまとめ意見への対応検討体制について
土地政審の取りまとめ意見は、平成11年1月13日付けにて公表され
た“ポスト「右肩上がり」時代の土地関連諸制度のあり方”と題する意
見取りまとめを指します。意見取りまとめの詳細は、下記のURLを御
覧下さい。
http://www.nla.go.jp/shingi/gizi/tochi/990113.htm
この問題は、資料委員会のなかに対応小委員会(小委員長・福原孝信氏)
を設置し、鋭意審議検討を行い、今年夏頃を目途に委員会意見を集約す
ることとなりました。
3.よりよい事例資料の保管方法について
事例資料(地価公示関連の取引事例資料)の保管は、長い間、各地域会
によりマイクロフィルム化して保管し会員の閲覧にも供して参りました。
しかし、環境の変化と資料自体のデジタル化の進展及びデジタル化保管
機器の価格低廉化により、CDROMによる保管閲覧が可能になり、既
にCD化やMO化に着手している単位会も検討中を含めれば、北海道会
・岐阜会・福島会・静岡会・大阪会・熊本会等がございます。
これらの状況を踏まえて、資料保管に関する小委員会(小委員長・熊倉
隆治氏)を設置し、よりよい方法や関連ソフトを検討することとなりま
した。この問題も意見集約の目途は本年夏頃の予定です。
4.パートナーシップ制度の見直しについて
同制度の規程化も含めて、小委員会(小委員長・増井聡彦氏)を設置し、
同じく本年夏頃を目途に意見を集約することとなりました。
5.資料整備対策費の交付について
鑑定協会予算のなかに、資料整備対策費という科目があり、総額は61
7万円です。当該予算は、マイクロフィルム化の支援と各地域会におけ
る資料閲覧体制の整備を目的として設けられ、既に20年近い実績を有
しています。当該予算は毎年度各地域会或いは単位会に全額配分配付さ
れています。
しかし、前述のとおりマイクロフィルム化が事実上消滅し、予算の目的
と実態が合わなくなっております。この件につきましては、前述の資料
保管方法検討小委員会で併せてご検討頂くこととなりました。
 尚、マイクロフィルム化は、近年ほぼ全国的に中止されております。
マイクロリーダーそのものが生産中止になっているとも聞いております。
6.一般統計資料等の作成配付について
この件につきましては、既報のとおり従来通りの冊子配付と並行してC
DROM配付を今年度から実施することが正式決定しました。今年度の
CD作成枚数は1000枚の予定です。配付単価は2000円程度の予
定です。枚数に限りがございますから、購入を希望される方は、協会事
務局から案内があれば、(4月から5月にかけて案内される見込み)速
やかに申し込まれると宜しいと存じます。
 尚、CD搭載データは、既存の冊子搭載データに加えて、賃貸家屋建
築戸数データや地価公示・地価調査要覧の搭載も実現に向けて検討され
ることが決まりました。又、各データの読み込みにはビューアーを用い
て簡単に利用できるように工夫することも決まっております。
このCDは今後ますます充実してゆくべきものであり、皆様が搭載を希
望されるデータについて、積極的に御意見や要望を協会事務局にお寄せ
頂くことをお願いします。(茫猿宛にお寄せ頂ければ、必ず委員会に伝
達します。)
7.その他
その他としましては、委員会の地方開催が話題になりました。旅費支給
を工夫したり、他の視察・意見交換事業と組み合わせることにより、委
員会を都市圏以外で開催し、資料委員会所掌事項について、実態を深く
把握したり広く意見をお聞きしたりする機会を設けようと云う主旨です。
積極的に進められれば、本年夏以降には実施される可能性がございます。
資料収集・保管に関しましても、パートナーシップの問題に関しまして
も、都市圏と地方圏では抱える問題も解決の方向も相当に温度差がござ
います。これらを鑑定協会として如何に集約してゆくかという観点から
も、都市圏と地方圏の交流が広く深くなることは歓迎されるべきでしょ
う。
※最後に
【茫猿遠吠・・企業会計・時価評価・・2000.1.30】にて、既報しまし
た。「販売用不動産の強制評価減の要否の判断に関する監査上の取扱(
案)」につきましても、鑑定協会の対応は遅れが否めません。
某メーリングニュースでは、サイレント鑑定協会と揶揄されております。
どこに問題があるのでしょうか。確かに全国から役員や委員が再々東京
に集まることは、時間的にも経費的にも大変であることは重々承知して
います。しかし、フェイス ツー フェイスの意見交換は二月に一度で
も三月に一度でも構わないのではないでしょうか。FAXネットならば、
今や全会員が参加できます。更にインターネットを使えば、もっと簡単
且つ有効に意見交換や電子会議も開催できるのではないでしょうか。
鑑定協会はやらないだけです。実行しようとしないだけです。
又、このような意見も役員諸公のなかから多く聞こえます。
曰く「インターネットとかパソコンとか云っても会員の大多数は付いて
行けない。会員の平均年齢は60歳に近いのだから、無理を言うな。俺
もパソコンは嫌いだ。パソコンで計算した鑑定など鑑定とは認めない。
云々・・・」
このような主張をなさる年輩諸兄の多くは、ご自分の事務所においては
パソコンを多数保有し、練達堪能な職員スタッフも抱えておられます。
ただ、協会関連のいわばボランテア業務は、どうしてもご自身が関与せ
ざるを得ないことが多く、それら協会関連業務について事務所のスタッ
フに依頼することを潔しとしないだけのことです。(揶揄を込めて)
又、このお話には、幾つかの矛盾と混乱があります。一つは自分が認め
ない、もしくは扱えないものは、他者にも扱わせない或いは組織に採用
させないという姿勢には、時代環境の変化に頑なに背を向けているのみ
ならず、鑑定業界全体の発展を阻害していると云うことです。
もう一つは、鑑定業界を取り巻く環境、官公庁然り、関連有効資格者団
体然り、関連業界然り、においてWeb化が恐るべき速度で進行してい
ることに背を向けているにも関わらず、新しい業務展開を指向しようと
したり、パイの分け前を要求したりする矛盾です。
茫猿は、役員・委員諸公は須くご自身の電話・ファクシミリ番号だけで
なく、メールアドレスを公開すべきだと考えます。私用のアドレスが公
開できないならば、専用アドレスを持つことも検討すべきでしょう。
その観点からは、鑑定協会において独自ドメインを取得し、協会事務局
全員、協会役員・委員全員さらには団体会員にメールアドレスを交付す
べきでしょう。(この協会交付アドレスは、退職したり退任したりすれ
ば無効にすればよいのであり、自分の保有アドレスを公開するから無用
とされる方には交付する必要もありません。)
協会交付アドレスを利用するしないは、ご自身の考え方如何に委せれば
よいのであり、その結果として情報過疎に陥ったとしても、それは自己
責任のなせる業であると考えます。高度な資格者団体を自負し情報加工
処理の先端にいることを自任するのであれば、相応の情報化武装も当然
のことであり、そのことに自身が背を向けるのはやむを得ないとして、
他者や協会組織にも背を向けさせようとするのは、大きな間違いだと考
えます。
土地政策審議会意見にしましても、公認会計士会の強制評価減(案)に
しましても早くから広く公開されているものです。これらを正確に迅速
にウオッチングしてゆくことが必要不可欠であり、更には対応意見を広
く迅速に的確に公開発信してゆくことも必要不可欠なのです。昨年4月
の私の主張の根幹もそこにございます。
蛸壺から出て、Webの世界で波乗りをしようではありませんか。
鑑定士諸兄よ沈黙が美徳とされるのではないのです。
駄弁やネチケット違反が悪であり、所信・信念・意見を開陳してゆくこ
とは、専門職業家としてのみならず、市民としての義務なのです。
【本稿に限り、尊敬する先輩諸兄への妄言をお詫びします。】

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