この季節になると思い出す唄がある。
その昔、茫猿がまだ学生の頃に先斗町で出会った粋なお方が、
この季節になるとよく口ずさんでおられた唄である。
梅は咲いたか/ 桜はまだかいな /
柳ゃなよなよ風次第 /
山吹ゃ浮気で 色ばっかり/ しょんがいな
梅から桜、そして柳へと季節のうつろいを歌う唄であるが、
「柳なよなよ」と恋人のつれなさを嘆くのである。
そして、山吹、即ち小判のことであり、
うつろい易いお金のこと、
あるいは浮気の沙汰も金次第とも読めるのである。
ようやくに満開の水仙である。気品あふれる薫りが庭に満ちている。
梅はまだつぼみふくらむ程度である。
Tags:花
関連の記事
- 梅一輪 : 2006年3月2日
- 梅は半ばが佳し、桜は残が佳し : 2012年3月1日
- 柿若葉青楓 : 2020年4月23日
- 時季のうつろい : 2010年2月7日
- 梅香と水仙香 : 2009年2月13日
- 暑中お見舞い : 1999年7月16日
- 花の季節・梅は半ばが佳し : 2017年3月13日
- 此の春の梅 : 2008年2月16日
- 梅の花ガク : 2016年3月3日
- 節分に松を切る : 2011年2月3日
RSS