第二次新スキーム改善 §Ⅷ:(訂正・補足)

第二次新スキーム改善 §Ⅷ  お詫びと訂正を致します。
加えて、三次データと四次データの特性差異等についても、今一度考えてみます。

第二次新スキーム改善 §Ⅵに記載する「一、第二次改善案の骨子の、第3項.閲覧対象データは、いわゆる三次データに限定する。」という記述は、茫猿の深読みに過ぎたようです。 とは申しましても四次データ閲覧業務に実態的な存続意味が無くなるとすれば、閲覧は三次データ限定という意味はさほど間違ってはいないと考えます。

関係当事者においては、三次データは安全性と透明性に配慮して一元化オンライン閲覧に供すべきものであるが、四次データ(PDF等ファイル:位置情報や地形情報を含む)については、スタンドアローンにて、士協会事務局窓口で閲覧に供してもよいとも考えられているようです。 ただし、これは未確認情報であり、その場合にも、a.リーガルレポートとの整合性、b.閲覧料格差の問題は残されています。 《三次、四次の扱いが同じであれば良いのである。問題点は安全性管理の徹底と、過剰な閲覧料請求及び閲覧機会格差の解消なのである。

四次データ閲覧料についても、当然に実費主義となり、郵送費等の実額経費に限定され、いわゆる作成費を含むことは否定されます。 現在と較べれば遥かに少額と推定される閲覧料(基本的に全国統一料金)収入のために、地方圏士協会が閲覧業務を継続する意味があるのか疑問です。 繰り返しになりますが、国へ納品した成果物の写しを使って、多額の閲覧収入を揚げてもよいという根拠は、とっくに失われていることに留意しておきたい。

ここで社団法人論を言うのは本筋ではないが、士協会財政の困窮を訴える士協会役員氏も少なくない。 公益社団法人の運営は会費で賄われるのが筋であり、事業収入に過度に依存するのは本末転倒なのである。

四次データというものは、三次データに属性データや属性資料等を付加した、地価公示納品成果物であることにご留意下さい。 三次データに付加する属性データや属性資料等の作成費は、地価公示報酬として作成者に支払い済みであるということです。 《しかも、四次は作成者のバイアスが掛かった半年間も遅れるデータです。

もう一点ご留意願います。 閲覧料を低額に設定しても、現行REA-NET等を活用して、窓口閲覧限定等を継続する場合には、遠くない将来に該当する士協会内会員と士協会外会員とのあいだの差別的取扱が問題視される恐れが高いと考えます。 それら批判を避けるためには、士協会内外を問わず、四次データは《スタンドアローンによる》士協会事務局窓口閲覧に限定することがベターであろうと考えられます。

《もう少し補足しておきます》
三次データと四次データの相違は、a.三次が新鮮で四次は半年遅れの出涸らし、b.三次はテキストデータのみ、四次は位置図や地形図等のイメージデータが付加されている。 さらに、三次よりは属性データ量が多いという点が指摘できます。

ところで、三次に地理座標値が付加されるようになれば、地理的位置情報とほぼ全ての距離条件属性データはオンライン取得できます。 現在でもREA-NET《MAP-CLIENT》等 を利用すれば、それらの地図情報及び属性データ概ね瞬時に取得可能です。 定性的要因である都計用途やハザードマップ情報が残されますが、それらのポリゴンデータも次第に整備されてゆくことでしょう。 《全般に云えることではなく、住居表示実施地区や市街化区域の宅地についての話であり、農村部山間部は除かれます。》

残すところは地形図情報です。 三次データの利活用に際して、こればかりはゼンリン・デジタルマップ等では不十分であり、法務局地図を入手する必要があります。 そこで、四次データの出番が生まれますが、三次と四次のタイムラグを考えれば、三次データの地形図入手で事足りると考えられます。

士協会事務局窓口で低額にて四次が閲覧できれば、それでよいと考える評価主体も少なくはないかもしれません。 そこで、士協会としては地形図のみを閲覧に供することを検討するかもしれませんが、これにもハザードが存在します。

四次データに付属する地形図は、地価公示作業過程を経ることによって、入手したデータであると云うことです。 ここでも事務経費以上の多額閲覧料を容認する根拠は失われていることに注意されたいと考えます。

それらの状況を勘案すれば、四次データを閲覧に供する士協会のモチベーションは失われるであろうということです。 ただし、公的土地評価に関わる一元的な利活用はまったく別物ですから、この点に関する知恵が求められていると考えます。

総じて、昨年来の『鄙からの発信』記事と、大差ないと云うことです。
【公的土地評価における新スキーム由来等事例資料の取扱基準案ファイルを開く】
【一般鑑定評価と公的土地評価の事例取扱対比表ファイルを開く】
不動産センサスの創設-1   不動産センサスの創設-2

《殆ど蛇足ですが》
士協会は如何にして会員サービスを増強するかという視点に立つ時に、地形図についての管理は結構重要であろうと考えます。 三次データ調査で入手した地形図を速やかに事務局へ回収して、データのユニークコードを共通化し、TIFやPDFファイル化して管理すれば、会員の便益は随分と増すであろうと考えます。

上申書には自明のこととして書き込んではいませんが、支援ソフトの開発くらいは検討されて然るべきでしょう。  この件の最も簡単な方法は、各会員がデジカメで撮影しTIF等圧縮保存してRea-data等イントラネットで士協会内会員に限定配布する方です。受け取った会員は適当に作成するフォルダーに保存しておくだけのことです。 50名以下の組織で有れば、この方が速やかで便利であろうと考えます。

つまり、組織ガタイに見合ったシステムが好ましいのであり、でかくて多機能であれば良いというものでは、ありません。 さて、一連の第二次新スキーム改善記事は、よく判るという声よりも、判り難いという声を多く聞きます。 それは情報提供者のお立場を考えながら、記事を書いていますから、どうしても隔靴掻痒は否めないことです。それに読む方の視点にバイアスが掛かってしまっている影響も大きいでしょう。 判り易く茫猿の結論を申し上げますと、三次は連合会が所管する。 四次は必要に応じて士協会が管理すべきであろうと考えます。連合会は四次データには関与すべきではなく、士協会に委託すべきと考えます。 ただし、士協会による四次データの如何なる管理も、三次以上の安全性担保と透明性確保が求められることは云うまでもないことです。

《地形図や写真の士協会管理は、三次のオンライン閲覧よりも、一ヶ月以上も早くデータの存在を士協会会員に報せることにもなります。TIF等ファイルのネームは、使い勝手のよいものを士協会で統一すれば済むでしょう。 またこの方法は、並行して地理情報付き写真を回収する方法としても検討できます。 当然のこととして、地価公示評価の精度充実に寄与するデータの共有・共同利活用行為でもあります。》

《この辺りは、One for All、 All for One なのですが、閲覧料収入に未だに拘っている方々に、何処まで理解されるでしょうかね?》
月にかかる群雲は、いつになったら晴れるのでしょうか?

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