京町家でごはんを

【只管打座・・京町家でごはんを・・02.10.20】
 畏友堀田氏から、DCF法についての茫猿の疑問に対するお答えを早速に頂き
ました。持つべきものは「秀でた友(ヒイデタトモ)」だとつくづく思いました。
堀田氏の御指摘をお読み頂いたら、彼の Web Site にもお巡り下さい。
直接還元法とDCF法の微妙な差異を承知の上で、DCF法を採用するか、直接
還元法を採用するか、併用するか、案件に応じて臨機応変・変幻自在が求められ
ると云いましたら、言い過ぎでしょうかね。
> ただ、直接還元法だと"いい加減さ"が表に出てこないという利点がありますが、
> それに比べてDCFは、"いい加減さ"を白日の下に晒すという意味において、
> 説明責任を果たしているといえます。
 彼の指摘を総て肯定するが、この部分は頂けない。「直接還元法はいい加減さ
が表に出ない」というのは堀田氏独特のアイロニーであろうが、多くの凡人は誤
解する。日本鑑定協会や国交省の説明も同様である。直接還元法の場合でも詳細
に説明するべき部分は山ほどあるのであり、ただ今の状況はそれをネグッテいる
だけに過ぎない。現状で必要とされる記載事項が多いか少ないかだけである。
 また直接還元法における賃料変動率と、DCF法分析期間における収益変動とにお
ける差異はあると考えるし、そのことに留意することが両手法の特性を明らかに
するとも考えるのです。氏の説く下記式の背景はDCF法にこそ、適用できると考え
ますが如何でしょうか。
 V=a1×複利逓減年金現価率+a2÷還元利回り×複利現価率
 さて、閑話休題、お約束の「御飯食べ」です。
京都の花街では、お客を誘う言葉に「ごはん食べゆこーなあ」というのがありま
す。「ごはんたべ、ゆこーなあ」という言い回しを甘いお誘いととらえるか、怖
い罠ととらえるかは、あなたの日頃の心がけ次第として、花の都千年の巧い言い
回しだと思います。
 彼女たちが「ごはんたべ、ゆこーなあ」と誘うときには、おおよそ三つくらい
の背景があるようです。
一つは、単なるお誘い、ダメモトというか社交辞令というか、その証拠は日時を
決めさせてくれるか、携帯電話番号を教えてくれるかに現れます。
芸妓さんであれ闇夜の蝶々であれ、携帯番号と携帯 Emailアドレスの両方を教え
てくれる場合は次の二つの場合です。
 二つ目は、大事なお客はん(賀茂川の鴨)と思ってくれていて、機会を与えてく
れる場合。この場合は、「ごはんたべ」の場所はこちらに任せてくれますが、
「ごはん」の後で、芸妓はんの場合は彼女の姐さん株の方のお店に行き、ボトル
キープが原則です。月夜の蝶々の場合は同伴出勤という訳です。
 三つ目は、今話題になっているお店に行きたいとき、もしくは貴方と味わいた
いお店や食べ物があるときに誘われる場合です。何より彼女たちは情報通ですか
ら、このお誘いに乗らない手はありません。日頃旨いものを奢ってもらって口が
肥えている人達ですから、彼女たちの間で話題になるお店情報は私達にとっても
得難い確かな情報です。ただし、キャバクラ系の二十歳前後はアテになりません
が、それはそれとして面白いかもしれません。
 これから秋本番、今年のJR駅頭には真如堂のポスターが掲げられています。
十一月は、高台寺をはじめ清水寺、粟田清蓮院などなど随所で夜間拝観やライト
アップが行われており、東福寺や永観堂や清滝などを徘徊するには佳い季節です。
 そんな折りに訪ねてみたい「京都の町家を改造したレストランや料理屋さん」
を二つ三つご紹介します。
「京都 町家でごはん・・一乃船入」
http://www.leafkyoto.net/se/matiya/shop_c_05.html
 京都の街中、河原町と賀茂川との間に流れている小さな川、高瀬川をご存じだ
と思います。南北に流れる高瀬川沿いの繁華街が木屋町で、その東側、賀茂川沿
いが先斗町(ポントチョウ)です。この高瀬川は森鴎外の小説でも有名ですが角倉
了以が開削した運河でして、その北の船溜まりが「一乃船入」です。
 この木屋町壱乃船入西入ル、もしくは河原町二条東入るにお勧めの中華料理
「一乃船入」があります。民家を改造したレストランであり、畳の上で頂く広東
系の中華料理ですが四川風も北京風メニューもあります。(予算5,000円位から)
 中華は横浜か神戸だと云うのが定説ですが、どうしてどうして、京都の中華も
なかなかです。京都ラーメンはアッサリ味と云うのは俗説でして、京都ラーメン
は結構こってり味ですが、同じように京都の中華も捨てがたいものです。
「京都 町家でカフェ・・セカンドハウス」
http://www.leafkyoto.net/se/matiya/shop_f_09.html
 四条通りにある大丸の西側を北へ錦市場を過ぎて約300mゆきますと、通り
の西側に、外観は京町家で中は路地と吹き抜け中庭を持った喫茶店です。
二階の剥き出しの低い梁などは、町家造りを見学するには格好の材料です。
「虚無蕎望なかじん・・コムソボウナカジン」
http://gourmet.yahoo.co.jp/bin/gsearch?p=%a4%bd%a4%d0&a1=14&b=41
 蕎麦は世間が云うほどではありません。旨いことは旨いのだが、蕎麦の野性味
が足りないというのが茫猿の実感です。
 ただし、この店のお勧めは、完全予約制であること、予約無しでも入店できる
可能性が無いわけではないが極めて稀である。(予算は3,000円位から)
なによりも、古川町商店街という古びたアーケード街に敢然と出店して、蕎麦料
理を始めた店主の町興しの心意気が嬉しい。蕎麦は点数を付ければ白蕎麦だけで
野性味あふれる玄蕎麦が無い点で20点減点して80点である。
 それよりも、以前にも只管打座に書いたが、台抜きが味わえる点が素晴らしい、
天麩羅、炙り地鶏などなど、蕎麦を肴に一杯が判る方にはお勧めである。
 虚無蕎望でほろ酔いになり腹が足りたら少し東へ行こう。比叡山に発して祇園
の新橋を抜けて賀茂川に合流する白川に出る。この辺りの白川沿いの散策も捨て
がたい。
「俵屋を気軽に 点邑・・テンユウ」
 俵屋旅館をご存じでしょうか。麩屋町二条辺りに、柊屋と並んで所在する京都
を代表する有名旅館です。多くの文人墨客が滞留することでも有名です。
茫猿は前を通ったことは何度もありますが、宿泊客となったことはありません。
 某日、死ぬ前に一度は泊まってみたいと申しましたら、鋭いお方が喝破して曰
く、「ああいう処は、滞在し馴染みになるから佳いのであって、一度や二度泊ま
っても佳さは判らない。第一あんたみたいに深夜に酔っぱらって帰る人では白い
目で見られるだけ」、見事なもんです。恐れ入りました。
 さて、この俵屋さんのお料理を手軽に賞味できるのが、「点邑」です。
天麩羅を中心として、懐石料理も提供してくれます。場所は御幸町三条下がるで
す。京都の三条通は東山から千本に至る古くからの商店街ですが、河原町三条か
ら烏丸三条に至る間は、いまや京都のトレンデイスポットです。
 烏丸三条の新風館(京都イメージには似合わないが、京都はいつも新しい)を覗
いてから「点邑」に立ち寄ってください。お昼メニューは「2,200円」の天丼から
です。天丼は目の前で揚げたての海老・鱚・蓮根・他の天麩羅が山盛りで、他に
汁、香の物が付きます。
天麩羅の衣はあくまでも薄く、しかもカリッと揚げてあります。海老の尻尾も鱚
(キス)の尻尾も美味しく頂けます。さすが、俵屋の天麩羅と頷けます。
富小路錦角のお鮨「さかい」、八坂通東大路西入ルの焼き肉「祇園まんぷく」、
御池間之町のカウンター割烹というより居酒屋「笹蔵」もお薦めですが、記事に
するのは、また今度とします。次回は「ウンコロジー」です。

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