INDEX事業報告(3)

【茫猿遠吠・・INDEX事業報告(3)・・03.06.21】
 INDEX事業について、その後を報告します。
3月末にて、建築費積算調査、実際賃料調査、賃貸建物新築情報等三種類の調
査報告を士協会は受領し、受領したデータに基づいてシミュレーションを開始
しました。現在は地価調査の合間を縫ってシミュレーションソフトの修正やデー
タ解析の手法を検討していますが、複合不動産収益価格やDCF法適用につい
て経験不足は否めないところであり、用語解釈にすら戸惑うことの多いという
のが正直なところです。
 詳細な報告書は8月末を目途に作成し、士協会Web Site 上で開示す
る予定ですから、それまでお待ち下さい。今回の記事は調査報告を受領した時
点での感想とでも云うものです。
 始めに、勉強不足を痛感する。
少しくらいは勉強していたつもりでしたが、実際に事業に携わってみて改めて
勉強不足、経験不足、知識不足を痛感しました。これは委員会の専門員全員に
共通する実感でした。(もちろんのこと、謙遜してそう言った委員氏もいたで
しょうけど)
 改めて、近日中に研修合宿を行って、中級程度の知識を身に付けようと話し
合っています。特に茫猿と同年配の老朽鑑定士は若手と一緒に勉強して、手を
引っ張ってもらおうと、厚かましい考えで合宿に参加しようと話し合っていま
す。
 途中経過ではありますが、幾つかの重要な情報を得ることができました。
1.専門家に依頼したマンション建築費積算に大きな差は生じませんでしたが、
テナントビル建築費は相当の開差を生じました。原因は幾つかあります。
・依頼仕様がはっきりしていなかったこと。(標準的という用語の解釈に差が
出る)
・実際の岐阜市・市場価額といっても、設計積算と建築受注積算とでは当初か
ら積算姿勢が違うと認められること。ゼネコン氏はこの額で受注できれば有り
難いが見積もり合わせや入札であれば、10~20%OFFと言われました。
設計事務所氏は市場価額という以上のコメントは伺えませんでした。
2.賃貸借契約についても調査専門業者に依頼しましたが、当初期待したほどの
成果は得られませんでした。その訳は、賃貸市場が厳しい競争(供給過剰)状況
にあり、オーナーからテナントへ厳しい箝口令がしかれていること。
テナント側でも、契約が支店対応でなく東京本社集約状況にあり、入居してい
る支店・営業所サイドでは何も情報を持っていないことなどです。
 それでも判明した幾つかの契約内容を検討しますと、募集賃料と実際契約賃
料との開差にはある種の係数の存在が推定されます。
3.最も有効な情報は、正確な実際空室率が把握できたことです。各種のニュー
スや賃貸業からの聴取で、市内の空室率について一応の情報はもっていました
が、市内の主なビルの実際空室率が把握できたことは大きいと考えます。
4.負け惜しみになりますが、前述のとおり、自分たちの弱点を正しく認識でき
たことで、これから勉強すべき方向もはっきりと見えてきたと考えます。
一方的且つやみくもな研修ではなく、実際のデータに基づいてそれを解析する
ためのスキル向上という目標がでたということは大切に考えたいと思います。
5.一度は計算してみたINDEXや投資利回りではありますが、実感と違う結果も
あり、計算方法や一部の手法解釈が正確とはいえず、全般にわたって自信を持っ
て説明できるだけの力を身に付けたいと考えます。
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
その1
今週の週間金曜日誌上で、筑紫哲也氏がこんなコラムを書いています。
 「マスメデイアがきちんと伝えていない」という批判が多いが、他者のせい
にするのはいい加減にしてほしい。十分ではないという反省はあるが、伝えて
いないわけではない。何を伝えても反応、関心の低さにたじろぐことが多いの
だ。30年以上も前に、無関心、無気力、無感動の三無がいわれたが、当時は
若者について言われた三無が、社会全体に及んだのではなかろうか。
 とまあ、概略こんな内容です。
茫猿も『鄙からの発信』Web Site 上で、度々言及していますが、三無は感じ
ます。読者諸兄姉は決して三無ではないでしょうが、結果として或いは現象的
には三無なのです。つまり、関心を伝えなければ、感動を表さなければ、気概
を示さなければ、内心に大いなるものがあったとしても、現象としては三無と
大差はないのです。
その2
茫猿鉄道復興工事は、着実に進んでいます。
・三枚を合成した全景パノラマ写真です。サイズは3.5m×1.2m

・高架駅前広場です。もちろん未完です。茫猿ビルも見えます。
・ついに自社ビルなど夢のまた夢でしたが、模型上では自社ビルオーナーにな
りました。

・郊外の路面電車駅付近です。線路上は廃止になった岐阜市電です。

・トンネル付近の景観です。

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