情報というもの

【茫猿遠吠・・情報というもの・・04.07.07】
 6/03から6/22にかけて、合計13本の記事をサイト掲載及びメルマガ発信しました。鑑定協会総会日程を挟んでいたこともあり茫猿にしては、何年ぶりかの集中豪雨的な記事アップロードの一ヶ月でした。流石に草臥れて小休止をしていますが、またまた、病んで疲れた隻眼に鞭打って記事を書かねばと云う思いをさせる出来事に会いました。
 それは、過日、T氏より「奇っ怪な文書の転送」という情報を頂いたこと、
またH氏よりは「鑑定協会サイトの最新記事アップ情報」を頂いたことに触発された故によります。T氏の奇っ怪文書云々は、人事に絡むアングラ情報ですから詳細についてはふれませんが、H氏の情報にいてはこう云うことです。
 詳しくは鑑定協会サイトの会員専用ページを御覧頂ければ宜しいことですから、会員専用ページの「What’s new」ページの目録のみ転載します。
 目録の転載だけでも、専用ページの不当な公開に当たるとして、何らかの処分が提起される可能性がありますが、その時はその時のこととして、以下をお読み下さい。
『日本鑑定協会サイトより転載』
・TOPICSに「総会事業報告についてのADR小委員会見解」についてを掲載しました。(2004.7.2) >>>詳細はこちら(PDF)
・会員専用ページに例規集を掲載しました(2004.7.1) >>>詳細はこちら
・会員専用ページに「平澤春樹会員からの公開質問状への回答」を掲載しました。(2004.6.20) >>>詳細はこちら(PDF)
・TOPICSに「不動産鑑定評価と著作権」を掲載しました。。(2004.6.16) >>>詳細はこちら(PDF)
・TOPICSに「固定資産の減損会計研修会のQ&A」を掲載しました。(2004.6.16) >>>詳細はこちら(PDF)
・TOPICSに「司法制度改革・その中のADRについて」を掲載しました。
(2003.12.25) 司法制度改革の中のADRについて、その内容と当会の取組について現在の状況をご報告します。 >>>詳細はこちら(PDF)
 会員の皆さんは、これらの記事掲載についてご存じでしたか。
茫猿は協会会員専用サイトの存在自体に多少は懐疑的です。でも何よりもサイトに記事を掲載しているから、情報は公開済みである。「知らないのは、読まない会員の自己責任である。」といった声が聞こえて来そうなのが、気に入りません。 どうせ情報開示するのであれば、より伝搬力の強いメールマガジン掲載発行するか、会員専用ページの記事掲示通告だけは一般公開ページ掲載かメルマガで発行すると云った措置が採用できないものでしょうか。
 情報公開の在り方も重要なことですが、それはさておき、総会における「企画委員会事業報告」に関して、ADR小委員会と企画委員会の応酬は興味深いものがあります。
・ADR委員会は、協会の組織態様に関する企画委員会報告はADR委員会の総意と合致するものではないとの見解を、企画委員会に6/21付けにて送付しています。
・これに対して、企画委員会は肩透かし答弁書を6/29付けにてADR委員会に送付しています。 『何が、肩透かしなのかは、お読み頂いてご判断下さい。』
 ところで、鑑定協会総会開催日は6/16、ADR委員会文書発信は6/21です。
別に、六日の菖蒲、十日の菊などと揶揄するつもりはございません。
企画委員会委員長は石橋 勲氏で、氏は理事です。ADR小委員会は司法制度改革特別委員会に設置される小委員会です。司法改革特別委員長は何と「横須賀 博会長ご本人です」、しかも横須賀氏は「組織改編検討委員会」の委員長でもあるのです。股裂き状態の横須賀会長というべきか、二律背反状況の会長と云うべきか、読者のご判断にお任せします。
 茫猿は総会について、総会の体を成していないと先般申しましたが、協会理事者自体が理事者の体を成していないのではないでしょうか。
会長直轄委員会の内に在る小委員会が、総会報告議案に異議を唱えるという不思議な事態が起きているのです。
 企画委員会の該当部分は、確かにADRに参画するために法改正の必要の有りや無しやを検討し、その結果を報告するという文書です。
 しかし、報告のテーマは「不動産鑑定法改正への対応について」とありますし、制定の経緯から説き起こし、削除こそされましたが不穏当な他団体中傷にふれ、現行組織の在り方に問題はないという結論に至っています。
 これらの脈絡は、色々な見解が存在し得るでしょうが、問題なのはADR委員会のそういった見解や審議過程その他が、理事会、常務理事会、正副会長会などの執行組織の議論に反映されていないのでなかろうか、という疑問です。
 これに関連して、総会での質疑応答で、面白い一幕がありました。
それは、独立法人が法人化するに際して発注委託した鑑定評価依頼に関することです。質問の要旨は、「独立法人化に際して大量の鑑定評価発注が行われるという情報を、執行部は承知していたのか? 承知していたとすれば、何故に会員へ情報提供を行わなかったのか?」というものです。
 これに対する理事者側の答弁は、要約、以下のものです。
「その件は、事前に承知していました。しかし、当該発注は競争入札により行われるものであることから、鑑定評価業務委託に競争入札はなじまないという観点より、会員への情報提供は好ましくない(或いは、不要である。だったか?、或いは無用の混乱や誤解を避けるためにだったか?)と考えて、情報提供は行わなかった。」というものである。
 ここには、重要な情報操作と、問題に対する認識の不十分さが現れている。
 現実に大量の業務参画機会があったのであるから、入札案件であるとしても、情報開示は行うべきだったのではなかろうか。
 今ひとつは、好ましくない業務発注方法と考えるのであれば、主務官庁に然るべく異議申し立てを行うべきではなかったか。
 少なくとも、用対連方式採用の業務委託等を申し入れると同時に、申し入れた事実を開示すれば、会員は各々の良識に従って対処したであろうし、できたであろう。せめて理事会報告があれば、良識ある理事諸公は自らの良識に基づいて然るべき情報提供を行い得たのではなかろうか。真相は闇の中である。
 漫然と見送ったといえば言葉が過ぎようが、結果からみれば協会の見送り姿勢が会員の受託競争を激化させ無用の混乱や不当廉価とも云える評価報酬を招いたと云えよう。同時に、競争入札を実施すれば、「鑑定評価報酬というものは際限なく下がるものだ」という認識を各界に与えてしまった影響はとても大きなものがある。
 尚、この低廉受注競争に参加した鑑定業者グループ或いは鑑定業者は、業界で著名な鑑定士が関与しているケースが結構多く見られることも注目しておきたいことである。
 誤解を避けるために申し添えれば、鑑定評価の委託発注では競争入札は排除すべしという、短絡した思考を茫猿はもっていない。
 茫猿は入札、コンペティションという委託発注形式は時代の趨勢であろうと考えるが、単に見積報酬額の競争に陥ってはならないと考える。
 少なくとも、詳細な仕様書が明示される必要があるし、競争入札であれば成果物の開示が当然と考える。この辺りは様々な見解があろうが、それらについて協会理事会で真摯な議論が成されたのであろうか、少なからず疑問である。
 鑑定評価の業務獲得が鑑定報酬額のみで争われるなんてナンセンスの極みである。質的競争の付随として対価競争がなければならないと茫猿は考える。
 何よりも問題なのは、今回の企画委員会報告、ADR対応、協会組織論、そして独立法人化鑑定評価委託、等々に際して深層から表層へ、核から些細部へ、本質から形式へと問題点が矮小化されている。
 日本鑑定協会サイトのADR小委員会関連記事開示もあまり前例のないことである。協会の各委員会及び事務局の活動経緯が逐次サイトで情報開示される
ことは好ましいことである。しかし、実態は各委員長の恣意的な判断によって開示したり、しなかったりということのようである。
 これは、結果として(時には意図的に)情報操作になるという点に気づいて頂きたいものである。委員会・理事会・常務理事会等の議事録開示は公式文書であるから開示に時間を要するであろうが、速報とか委員長メモであれば、即日開示が可能である。各委員会は即日に会員専用サイトに委員長メモあるいは議長メモを開示すると同時に、会員専用のメルマガにて逐次発信して頂きたいものである。
 意図的に情報が操作され矮小化されているのであれば、それも一つの見識と認めもしようが、問題点の存在に気づかずに表層的、恣意的に事勿れ処理が成されているのだとすれば、病巣は深くて大きいと云えるのでなかろうか。
※ADR問題については、法案策定要綱のほぼ最終案が開示されています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sihou/kentoukai/adr/dai35/35siryou1.pdf
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
 久しぶりに、多分二十年ぶりくらいに、七夕の夜が晴れそうです。
晴れは嬉しいが、空梅雨は水不足が気がかりで、嬉しさも半ばという気分です。
何よりも、本来の七夕は旧暦の行事であり、新暦でいえば8月末のはずです。
ひな祭りも、端午の節句も七夕も旧暦で執り行ってもらいたいものです。
行事のもつ意味と季節感のズレは、行事本来の印象を台無しにします。
 梅雨時の七夕は、真冬に温室西瓜を食するようなものだと思いませんか。

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