風抜ける

 蟷螂の斧とも、愚かとも云えよう一連の作業が一段落した今日である。小さな齟齬もあったし、曙光を見る感じも少しはあったが、たぶんいつものごとく茫猿の遠吠えに終わるであろうと思っている。 世の中そんなに簡単ではなかろうし、甘いものでも無かろうと自覚している。 それよりも拙速を気どって墓穴を掘るなよと自戒するのみである。


 何のことかって、6月から7月にかけての読者なら説明の要などないでしょう。頓挫は覚悟しているし、自嘲しているわけではないが、いまから醒めていないと連休明けには糸が途切れてしまうかもしれないから、心に予防線を張っているのである。
 ただ今の室内気温32度、エアコンも扇風機も動いていないが、窓のブラインド越しに風が抜けてゆく、梅雨明けの乾き気味の風が抜けてゆく。 地価調査の納期を控えてシャカリキに仕事をしていれば、エアコン無しという訳にはゆかないだろうが、今や無職渡世に近い身の上であるから、人工風に頼らず自然風頼みの生活であるが、これが素晴らしく心地良いのである。それもこれも鄙暮らしの賜物に違いないけれど。
 
 今から40年近く前、岐阜事務所開設初年度には事務所にエアコンの設備が無く、扇風機の風に書類をはためかせながら、仕事をしていたと記憶する。今の次男よりも若かったのだと思い出している。 もう少し陽が陰ったら、動力鎌を担いで畑の草刈りに出ようかと考えている昼下がりの茫猿である。

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