【茫猿遠吠・・index事業・その1・・02.12.15】
本年8月頃に、「不動産index」と題しまして、一連の記事を掲載しましたが、
いよいよ岐阜県士協会では担当する専門委員会を立ち上げて「収益index事業」を
稼働させています。
専門委員会は7名で構成され、委員長はかく云う茫猿、委員はA.T氏、 T.M氏、M.M
氏、N.T氏、T.K氏、Y.H氏です。岐阜士協会七人の侍という訳です。七名は手弁当
で頑張っておりますが、この事業にコミットすることで自分のノウハウを充実でき
ると信じて汗をかき智慧を出しているのです。折々に、事業の推移を Web Site に
ご報告して皆様の何かのご参考になれば結構かと考えております。
最初に、全体の構成を申し上げますと、
・総予算額は5百万円です。
・内訳は建築費積算依頼費が120万円。
・積算調査箇所数、2箇所 積算依頼先、2社
建築事務所及び地場ゼネンコン各1社に、事務所ビル及び賃貸住宅ビル各1棟の積算を依頼する。
・賃料等調査 調査箇所数 5箇所 125万円
調査会社に、サンプリング対象地5箇所の賃貸契約内容調査を依頼する。
・全県調査 100万円
定期刊行物を購入し、掲載される建築・賃貸データを各月毎にデジタルデータ化する。
・調査研究 調査解析モデル作成委託 100万円
改めて建築の現場と実学を学習しノウハウを積み上げたいと考えています。
同時に賃貸ビルの経営全貌を把握して賃貸借契約の実態を解明したいと考えます。
既に幾つかの興味深い事実が浮かび上がりつつあります。従来型の個別賃料調査
では判明しなかったビル全体の実際空室率、市場が認識している預かり金運用益利
率、新築ビルが誕生する都度発生するテナント移動の実際、建築規模と駐車場設置条例の関係等々、
悉皆調査ならではの事実が浮かび上がってくると同時に、全数データを把握することの重要性も改めて感じています。
事業の進捗状況は積算依頼先の地場ゼネンコンと建築設計事務所を選定し終える
と同時に、積算対象モデル候補地の選定も終えました。近々に正式依頼の見込みで
す。賃貸借契約調査発注についても、調査委託先との折衝が進んでおり近日中に正
式依頼の予定です。
全県調査につきましても、定期・不定期刊行物を購入しましてデータファイル化
する準備が進んでおり、ファイルモデルの作成は終わりました。
解析用ファイル及びモデルもフレームが固まりつつあり、建築データファイル、
賃貸借データファイル、間接法収益価格試算モデル(直接還元法&DCF法)、
INDEX試算モデルを一体化するモデルを用意する予定です。当然のことですが一連
のモデルは地価公示フォーマットに準拠しており、地価公示ソフトと間で完全互換
性を維持します。(以下は続報します。)
なぜこの事業を行うかについては、前述の通り以前に『鄙からの発信』に記事を
掲載しておりますから下記のURLからご参照下さい。
http://www.morishima.com/cgi-bin/np_boen/newspaper.cgi?action=view&code=1030292824
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・・・・
新鑑定評価基準の施行を目前にして、茫猿は新基準準拠鑑定評価書の作成に着手
していますが、全面準拠を目標とするとなかなかに大変な作業です。特に地域分析
に関して以下の作業を全部行うのは現実問題として至難のことと思い知っています
が、読者諸兄姉はいかが為されているのでしょうか。
※対象不動産に係る市場の特性について
(A)同一需給圏における市場参加者の属性及び行動
(a)市場参加者の属性について
業務用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の業種、業態、法人か個人か、
並びに需要者の存する地域的な範囲。
居住用不動産の場合、主たる需要者層及び供給者層の年齢、家族構成、所得水準、
並びに需要者の存する地域的な範囲。
(b)市場参加者の行動について
以上のごとく把握した属性を有する市場参加者の取引の可否、取引価格、取引条
件等について意志決定する際に重視する価格形成要因の内容。
(B)同一需給圏における市場の需給動向
(a)類似不動産の需給の推移動向
同一需給圏内に存し、用途、規模、品等等が対象不動産と類似する不動産に係る
需給の推移及び動向。
(b)価格形成要因に与える影響
需給の推移及び動向が対象不動産の価格形成に与える影響の内容及びその程度。
茫猿はこれらの事項分析記述に関して、inetから得られる統計情報その他及び取
引情報悉皆調査結果分析情報を駆使して分析すると同時に、地場仲介業者等から聞
き取り調査を行いつつありますが、労力と時間の割には実のある結果が得られない
のが悩みです。
しかし、これら調査はマーケティングの初歩であり、この調査分析のノウハウと
ツールを身につけることが将来の鑑定評価に大きく役立つものと考えています。
この件に関しても、続報記事を掲載できればと考えていますが、どうなることやら。
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