新スキーム小委レポ

去る12月9日に、本年最後の新スキーム小委員会と第三WG会合が開催されました。幾つかの報告と協議が行われました。


『管理ファイルの改善・第三WG』
新スキーム管理ファイルの版権は国交省が有しています。またバグの除去を除けば改善や改訂を年度途中に逐次行うことは困難であり、ソフト入れ替えと改訂後ソフトが正常に稼働するかどうかの試験を行うために、現在稼働中のサーバを一時停止する必要があります。したがって、試験施行中の評価員や分科会幹事から改善・改訂希望を集めて整理集約し、次いで国交省と協議を行った上で改訂を実施するという過程を踏むことになります。その第一回の検討協議を行ったのですが、議論が拡散し集約がなかなか困難でした。
議論集約が困難な理由は、寄せられた改善・改訂要望と新スキーム全体のなかでの管理ファイルの位置付けが未だに不確かなことに帰因します。具体的に云えば、収集し管理する事例データと地価公示事例との連関が明確に位置づけられていないことです。
新スキーム管理ファイルでは、何処までの作業を行うのかが未定のままというか不分明なままと云った方がよいでしょう。
(a)新スキームで収集された事例の属性(要因)データの調査入力まで。
(b)地価公示事例の作成やデータ互換も行う。
(c)分科会の枠組みを越えて事例の閲覧や交換も行う。
不分明なままです。
別の表現をすれば、(A)新スキーム管理ファイルと、(B)地価公示評価ソフト・事例ファイルと、(C)取引事例閲覧ファイルとの役割分担が不分明なままなのです。(A〜Cのファイルについては、広くシステムと言い換えてもよいでしょう。)
第三WGとしては、とりあえず新スキーム管理ファイルの役割は(a)収集された事例の属性データの調査入力までと限定した上で、ファイル改善・改訂要望の集約整理作業を行うこととしました。次いで、以下は新スキーム小委の報告を伺っての茫猿の感想である。
『現試行における収集実績』
09/14発送データの11/30現在での回収状況は、地域的バラツキが若干あるものの発送データの概ね4分の1程度が回収できているようです。この回収状況を上々とみるか物足りないと見るかは立場によって異なるでしょうが、アンケート用紙や案内書その他についてまだまだ改良の余地在りというところが妥当な判断でしょう。
『06/04以降の新スキーム』
現在の一部地域における新スキーム試行は06/03までの予定であり、以後の実施について公式には何も示されていません。06年度予算要求すら不明な段階で確たることは何も云えませんが、鑑定協会執行部並びに担当所管の考えでは、現行より拡大する方向、即ち全国の主要拠点都市で実施できるように検討中のようです。
また現公示評価員の委嘱は06/03/08で終了しますが、新スキーム調査の安定的継続は鑑定協会としても望むところであり、次年度地価公示評価員が委嘱されるまでの空白期間について然るべき措置が検討されるようです。
『新スキームの拡大目標』
鑑定協会としては、地価公示や地価調査の事例収集を新スキームに一元化し全公示等評価員の参加を目指す方向であることは、既に十月開催の全国士協会会長会議で提示されている。しかし、その実現の為の具体的日程表を未だ作り得ていないのが実態である。
・現行スキームで、予算的にも手法的にも全国展開が可能なのか。
・別途の予算建て、或いは鑑定協会独自の予算建てが可能か。
・その場合の具体的日程と各士協会の意向。
『新スキームに係わる情報の扱い』
新スキーム情報は、厳重な安全管理措置のもとに取り扱われている。少なくとも新スキーム管理ファイルにおいてはガイドラインに示される安全管理措置が担保されている。しかし、その後の利活用に関して安全管理措置が十分であるかどうかは不確かである。
『ネットワークアドバイザーの委嘱』
以前から話題になっていたことであるが、「群蒙が象をなでていても仕方ないので」外部精通者を委嘱して、企画・アドバイスリポートを求めることとなりました。何を聞くのか、何のアドバイスを求めるのかと話題になりましたが、ともかく一歩前進だと思います。

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