REA-NETとApplePhone

 試験稼働中のREA-NET(Real Estate Appraisal-Net Work:セキュリテイが保証される士協会ネットワーク)の特徴は幾つかあるが、最大の特徴はそのシンプル性とモバイル性にあると云える。


『シンプル性』
 REA-NET構築を貫く哲学は、「シンプル イズ ベスト」である。過剰とも無駄とも考えられる機能は排除することを重視するが、しかし必要な機能は全て盛り込む。簡単なように聞こえるが、実はとても難しいのである。あれもこれも盛り込んで、いかにもユーザーフレンドリーに見えるが、その実、重複し過剰で、日頃は殆ど使用されることのない機能を山盛りにするのは逆に簡単なのである。その結果、重たくて使い勝手の悪いモデルに、我々はどれだけ悩まされているか計り知れない。地価公示支援ソフトなんかにもそのような例が見られるし、違いが一目瞭然なのは、GoogleTopとYahooTopであろう。正しく云えば検索に重心をおくかリンクに重心を置くかということなのかもしれないが、両者は見事に違っており、YahooにGooLivedoorMsnと、「GOOGLE]との違いである。
 この点に関しては、このような思想を漏れ伺っている。

 REA-NET構築テーマの一つに「作りこまない技術」というのがある。必要最小限の機能に抑えるために、何が必要最小限なのかを幾度も検討するのが重要であり、同時に、目的別に機能を明確にするというのも重要と考える。

 「この機能は付いてますか?」、「あの機能は利用できますか?」といったユーザーの問いの全てに応えようとする「物づくり哲学」は、簡単である。何でもかんでも盛り込めば済むのである。ところが何でもあると云うことは、何もないのに通じるのである。年に一回も使われない機能どころか、多くのユーザーにとっては使うこともない機能が用意されていることにより、何処にどのような機能が用意されているか覚えるのが一苦労であり、マニュアルは電話帳のように分厚くなる。
 最近の携帯電話をがとてもよい例である。電話とメールは必須機能であるが、通信の同時録音機能やデコレーションメール機能など、特殊な事業者や女子中学生以外は使うこともないであろう。どの機種の携帯電話にも着メロや着歌機能装備など不要であるが、殆どの機種に標準装備されている。
 
 今や、六十過ぎの鑑定士も着メロを使っているから、静かな会議中に携帯の着信音が鞄のなかで控えめに鳴り出すと誰の電話か判らない時さえある。昔ながらのベル音の方が便利で憶えやすいと云うことにようやくに気付きだした利用者が年配者には増えている気配もある。実は茫猿の着信音は昨年来、旧来型ベル音に変えている。少し衰えた聴力に優しいし、何より判り易いのである。デコレーション・メールなど、ウザッタクテ、煩わしいだけなのである。
 REA-NETは、これら過剰な装飾性を排除して、必要十分条件を追求して必須と考えられる機能のみを用意することに限りなく留意するのである。機能カテゴリーからしてシンプルなのである。「REA-JIREI」、「REA-DATA」、「REA-INFO」、「REA-MOBILE」の四種類だけである。いいえ「REA-MOBILE」は装備機能ではあるが、利用者は最初にE-メールアドレスと携帯メールアドレスを設定するだけで、それ以後の操作は要求されることなくてモバイル性が実現するから、日常的に利用者が運用する機能カテゴリーは、JIREI、DATA、INFOの三種類だけである。JIREI:JIREI資料の閲覧機能、DATA:データファイルとメッセージの受発信機能、INFO:事務局からの情報発信機能である。
 特徴的なのはINFOである。INFOは事務局が情報を会員宛に情報を発信する機能だけでなく、事務局にスレッド建てを依頼すれば、その後、スレッドにフォローコメントが付け加えられてゆくことにより電子会議が実現する。会議の管理は事務局(士協会)が行うのであるから、士協会ネットワークというビジネスツールとしては、必要十分条件を備えていると云えるのである。
 ところで、絞り込まれた装備機能は実に美しいのであるが、あるレベル以上のリテラシーが要求されるのである。例えて云えば「紙粘土」なのである。紙粘土は幼稚園の遊びから始まり、大人のホビーや芸術的要求にも応える素材であるが、芸術的レベルに使用するにはそれなりの技術が求められるのである。REA-NETで云えば、日程表作成やログ管理には若干の創意工夫が求められるし、配信するデータの配置やレイアウトや利用するソフトにも技術レベルが表れるであろう。
 一例を挙げれば、何かの文字情報を配信するときに、
(a)添付データファイルを利用せず、全てをメッセージで伝えようとするか。
(b)メッセージは簡潔な惹句のみとして、Notepadファイルを使うか、Wordpadを使うか、MSWordファイルを添付するかは、利用者のリテラシーレベルを示すものと云えるであろう。なかにはPDFファイルを多用する会員もいるであろう。
(c)複数ファイルの圧縮技術の使い方も、簡単なようでいてそうでもない。やはり、受信者に優しい圧縮方法というのが存在する。何でもかんでも一括りにして梱包すればよいというものでもない。
 この一例だけでも長文の論考が書けるのであるが、筆者はいたずらに利用者を萎縮させるのがこのエントリーの目的ではない。筆者が云いたいのは、○○と鋏は使いようだということである。美しく絞り込まれた機能を使いこなし、使い廻して、自分流の使い方に到達して頂きたいだけである。そして、自らの技術レベルを棚上げして、過剰装飾性を構築者に求めないで頂きたいのである。
『モバイル性』
 次いで、モバイル性である。移動性なのである。ドラえもんではないが「何処でもREA-NET」なのである。事務所ではスタンドアロンPCから、自宅ではノートPCからREA-NETに接続するのである。インターネット接続環境であれば、山中の温泉場でも、海浜リゾートでも、ハワイでもモルジブでもREA-NET接続が安全に軽快に可能なのである。ホットスポットサービスを利用すれば、まちなかの喫茶店でもビル街でも利用可能なのである。
 今の茫猿の夢は、H21地価公示を何処か鄙びた温泉場でぬくぬくと、掘り炬燵のなかで地酒を飲みながら外の雪景色を楽しみながら行うことである。詳しいスペック説明は避けるけれど、実はそれが可能になったのである。 『ノーパソをロックする技術が必須であるけれど』
 モバイル性のもう一面は、携帯電話利用である。REA-NETの四番目の機能「REA-MOBILE」を利用して携帯メールアドレスを登録しておけば、新着配信連絡メールが自動的に携帯に送られてくる。多くを語るまでもないであろう、朝一番に携帯の着信を確認すればよいのである。それからREA-NETを開いて業務開始である。 REA-NET・携帯メールにはもう一つの利用価値があって、それは土日曜祝祭日における訃報など緊急連絡である。携帯の電源が切られていれば仕方ないが、そうでなければ365日24時間即時連絡性が途絶えることはない。ただし、土日祝日は事務局も休みであるから、そういう場合の配信キーマンを誰が引き受けるかが問題であるが、一般的には総務委員長の役回りであろう。
 ところで標題のApplePhoneであるが、今年はAppleが携帯電話を日本でも発売するという噂がある。マッキントッシュPCやiPodに明らかなように、Windowsとはひと味もふた味も違う思想に貫かれたAppleが世に出す携帯電話が楽しみである。ApplePhoneとMacBookを持って秋田の奥の乳頭温泉でREA-NETに接続しようというのが、茫猿にとって今年一番の課題であり目標なのである。

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