2020年(庚子)令和2年、明けましておめでとうございます。今や茫猿には行きし年も来るだろう年も左ほどに変わらぬものと思えますが、何はともあれ、七十有余年も馬齢を重ねし茫猿が鄙の片隅より春風を献上申し上げます。
過ぎ去りし日々を悔やんでみたり、来るであろう日々を思い煩ったりすることが無いわけでは有りません。それでも一つひとつを淡々と送りそして迎えられるように心がけて日々を過ごしております。
続けるか縮減するか悩んだ末に、宛名だけは悪筆なれど手書きし一筆もできるだけ書き添えた2019年(平成31年)賀状ですが、2020年賀状は間際になっても手が進まず宛名も印刷してお届けしました。もう全廃すべきときなのかもしれませんが、せめてもの存在証明なのであろうと思い百枚余を発信したことです。正月だからと構えることもなくなりましたが、孫の成長に、息子たちの髪に混じる白髪に歳月の積み重ねを感じております。それでも暮れには、門先に五葉松と紅梅と笹を飾り、餅を搗きました。重い石臼を納屋の隅から運び出しもち米をとぎ洗い杵をふるうという作業が、まだまだできるぞと我とわが身に問いかけながらの歳末でした。
餅つきは汗の割には喜ばれず、浸し時間や蒸し時間が甘かったせいか、出来上がった餅も半ばこわ餅の仕上がりで、孫たちには敬遠されました。
水引を忘れた松はなんとも締まらない。早々と蝋梅が咲きました。酷暑も暖冬も大型台風も異なものではなく、いつの間にやら常のものとなった昨今ですが、「鄙からの発信」にお立ち寄りいただきました皆様にとって、今年も常の佳き年であれと草深きより祈念申し上げて年始第一信と致します。
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